トーキョーアーツアンドスペースレジデンス2023 成果発表展
トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)では、2006年よりレジデンス・プログラム「クリエーター・イン・レジデンス」を開始し、東京や海外の派遣先を舞台に、さまざまな分野で活動するアーティストたちへ活動の機会を提供しています。
私たちの社会は、多様なシステムによって形成されています。生態系、あるいは政治、経済といったマクロの仕組みが、私たち個々の意識や言動、対人関係などのミクロな営みにどのように影響しているのか。そして、それらが、いかにしてマクロに還元されていくのか。
本展で紹介する11組のアーティストたちは、それぞれの視点から、複雑化していく社会構造と自身の関係性を探り、さまざまなシステムの存在や成り立ちを顕在化させることで、私たちに示唆を与えます。そして、大小無数の歯車が噛み合って、思わぬところにまで動きが伝わるように、彼らの作品は、一見無関係に見えるものたちで作用し合っているこの社会のシステムを浮かび上がらせます。
タイトル | トーキョーアーツアンドスペースレジデンス2023 成果発表展 「誰かのシステムがめぐる時 」 |
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会 期 | 第1期:2023年7月1日(土) - 2023年8月6日(日) 第2期:2023年8月19日(土) - 2023年9月24日(日) |
時 間 | 11:00-19:00 |
休館日 | 月曜日(7/17、9/18は開館)、7/18、8/7-8/18、9/19 |
会 場 | トーキョーアーツアンドスペース本郷 |
入場料 | 無料 |
クリエーター | 第1期:芦川瑞季、タイラー・コバーン、早崎真奈美、トレイシー・スネリング、渡邊拓也、
Zakkubalan(アルバート・トーレン&空 音央)
第2期:新井 卓、ベルトラン・フラネ、ラービッツシスターズ(ベネディクト・ジャコブ&ロール=アンヌ・ジャコブ)、太田 遼、グシェゴシュ・ステファンスキ |
主 催 | 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 トーキョーアーツアンドスペース |
提携機関 | アトリエ・モンディアル(スイス、バーゼル)、ウィールズ、ベルギー・フランダース政府(ベルギー、ブリュッセル)、HIAP[ヘルシンキ・インターナショナル・アーティスト・プログラム]、 フィンランド文化財団(フィンランド、ヘルシンキ)、トレジャーヒル・アーティスト・ヴィレッジ、 アーティスト・イン・レジデンス台北(台湾、台北) |
国内クリエーター制作交流プログラム
滞在期間:2022.6–7
滞在場所:TOKASレジデンシー
芦川は「祝祭の痕跡」というテーマのもと、オリンピック以降の風景を求めて、競技場跡地や選手村など東京湾周辺の埋立地を訪れ、都市の利用や所有のあり方、そこに広がる新たな生態系などを探究しました。隙間なく作り込まれた土地である一方、根本的な何かが欠けているような、圧倒的な不在を手掛かりに制作したリトグラフとドローイングを展示します。
海外クリエーター招聘プログラム
滞在期間:2023.1–3
滞在場所:TOKASレジデンシー
コバーンは、歴史と異なる道筋を想像して創作を行います。最新作《Candlestick Man》は、
歴史の文脈から人の往来と疫病との関係に焦点を当て、日本人が描いた最初のヨーロッパ人の姿に注目して制作した作品です。胡粉で描いた壁面作品や織部南蛮人燭台など、インスタレーションやパフォーマンスで構成されます。
二国間交流事業プログラム<バーゼル>
滞在期間:2022.4–6
滞在場所:アトリエ・モンディアル
三国国境の都市バーゼルで、早崎は生態系を介した国境について考察しました。本展では、西洋タンポポをスイスからドイツを経由し、フランスに植えるというプロジェクトを記録したビデオ作品や、その経路を記した国境のない地図の切絵、一連の活動を追体験できるボードゲームなどで構成したインスタレーションを発表します。
海外クリエーター招聘プログラム
滞在期間:2022.5–7
滞在場所:TOKASレジデンシー
特定の場所やそこでの人々の体験への関心から、ラブホテルとホストクラブをリサーチしました。ラブホテルでは、仮装をした協力者に愛や人間関係についてのインタビューを、ホストクラブでは、ホスト等へのインタビューや接客の様子を記録しました。本展では、そこで撮影した写真や映像、ラブホテルのミニチュア立体作品を発表し、ネオン街で生きる人々の経験を再現します。
二国間交流事業プログラム<ブリュッセル>
滞在期間:2022.7–12
滞在場所:ウィールズ
滞在先のブリュッセルで出会ったモロッコ系移民の青年とのやり取りを契機に、伝統的な価値観とグローバルな価値観との間に生きる彼が求める男らしさに着目しました。国境や文化圏をまたぎ、都市へ移動する人々が抱える複雑なアイデンティティの交差性を、各地から都市に集められる果物の存在に重ねて制作した一連の映像インスタレーションを発表します。
海外クリエーター招聘プログラム
滞在期間:2022.9–12
滞在場所:TOKASレジデンシー
1923年の関東大震災から100年を迎える現在、鯰絵と防災訓練から着想を得たZakkubalanは、地震のイメージと対峙し制作を進めました。本展では、関東大震災から経過した日数と同じ枚数の1円玉を用いて会期中も拡大する想像都市の彫刻や、避難所運営を模擬体験できるカードゲームで遊ぶ様子を記録した映像作品を展示します。
二国間交流事業プログラム<ヘルシンキ>
滞在期間:2022.9–12
滞在場所:HIAP[ヘルシンキ・インターナショナル・アーティスト・プログラム]
写真黎明期の技法であるダゲレオタイプ(銀板写真)を独自に習得した新井は、近年は核実験や原発事故など核をテーマに取り組んでいます。渡航先のフィンランドでは、原発周辺地域や高レベル放射性廃棄物の最終処分場「オンカロ」を研究対象とし、核廃棄物が無害化する十万年後の世界と現在を架橋する新しい言語を写真と映像で探索します。
海外クリエーター招聘プログラム
滞在期間:2022.5–7
滞在場所:TOKASレジデンシー
主に3Dアニメーションを用いて、社会に潜在する疎外感をフィクションで映し出すフラネは、巣鴨プリズンと植物ハマユウの分布限界を示すハマオモト線について調査を実施しました。制限された状況や環境という類似点のもと、一見かけ離れた両者を抽象的に繋ぐインスタレーションを試みます。
海外クリエーター招聘プログラム
滞在期間:2023.1–3
滞在場所:TOKASレジデンシー
アート、テクノロジー、社会問題の不均衡をメディア・アートで表現するアーティスト・デュオ、ラービッツシスターズは、東京の住宅街を彩る路上園芸を中心に、さまざまな生命を観察し、都市再生に向けた気候に関する議論での重要な課題として、東京滞在中にリサーチを進めました。本展では、都市環境における植物の生態について、テラコッタ製植木鉢と地球最古の生態系に生息するシアノバクテリアとの奇妙な共生から生まれた、光合成を行う植木鉢の実験的な作品を発表します。
二国間交流事業プログラム<台北>
滞在期間:2022.10–12
滞在場所:トレジャーヒル・アーティスト・ヴィレッジ
建築物の内部と外部を反転または共存させるなど、境界の両義性を追究して作品を制作する太田は、台湾で多く見られる「鉄窓花」という窓の外側に設ける鉄柵に着目。本展では、室内の延長として使われているその窓の外の空間を介したインスタレーションによって、鑑賞者に屋内と屋外の隔たりや概念を問いかけます。
海外クリエーター招聘プログラム
滞在期間:2023.1–3
滞在場所:TOKASレジデンシー
映像をとおして対人関係における自身の行動パターンを観察、分析するステファンスキは、社会環境、および建築空間としての「家」に着目し、人間関係における権力構造について考察した三部作の第一部を発表します。本作は、伝統的な日本家屋で撮影され、主人公の関係性の中で再生される力学のパターンを映し出します。
記録映像:宮澤 響(株式会社コグワークス)
日時 | 2023年7月1日(土) 15:00-16:30 |
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出演 | タイラー・コバーン、早崎真奈美、トレイシー・スネリング |
会場 | トーキョーアーツアンドスペース本郷 |
料金 | 無料 |
言語 | 日英逐次通訳 |
「Candlestick Man」(2023)は、移民と疫病にまつわる歴史と推論の関係に焦点をあて、日本人が初めて渡来したヨーロッパ人を描いた肖像についての作品です。胡粉による壁面彫刻とヨーロッパ人を模して作られた織部南蛮人燭台が置かれたインスタレーション空間で、英語版をタイラー・コバーン、日本語版を長沼航によって上演されるパフォーマンスです。
日時 / 言語 | 2023年7月2日(日) 16:00-16:30 / 英語 ※終了しました 2023年7月2日(日) 18:00-18:30 / 日本語 ※終了しました 2023年7月9日(日) 15:00-15:30 / 日本語 ※終了しました 2023年7月9日(日) 17:00-17:30 / 英語 ※終了しました 2023年7月17日(月・祝) 15:00-15:30 / 日本語 ※終了しました 2023年7月28日(金) 18:30-19:00 / 日本語 ※終了しました 2023年8月5日(土) 15:00-15:30 / 日本語 ※終了しました |
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出演 | タイラー・コバーン(英語)/ 長沼 航(日本語) |
会場 | トーキョーアーツアンドスペース本郷 スペースA(1階)タイラー・コバーン展示スペース |
料金 | 無料(要予約) |
日時 | 2023年7月15日(土) 15:00-16:30 |
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出演 | 芦川瑞季、渡邊拓也、Zakkubalan(ビデオ出演) |
会場 | トーキョーアーツアンドスペース本郷 |
料金 | 無料 |
トレイシー・スネリングは、滞在中に日本特有の歓楽街をリサーチし、人々の多様な愛の形を探究しました。
アーティストである彼女自身が作品となることで、私たちが物理的に、そして精神的に背負っているものからの解放を試みます。
日時 | 2023年7月16日(日) 19:10-19:45 |
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出演 | トレイシー・スネリング / Hajime Kinoko(現代アート・緊縛師) |
会場 | トーキョーアーツアンドスペース本郷 スペースC(3階)トレイシー・スネリング展示スペース |
料金 | 無料(要予約) |
注意事項 | ※以下をご了承の上、お申し込みください。 パフォーマンス当日の展覧会について ・18:30にトレイシー・スネリングの展示室を閉室いたします。 ・パフォーマンスは閉館後の実施のため、終了後に他の作品をご鑑賞いただけません。 入場について ・当日はパフォーマンス開始10分前までに受付へお越しください。 ・パフォーマンス開始時刻に遅れるとご鑑賞いただけません。 撮影について ・パフォーマンスの様子を動画及び写真で撮影いたします。 ・会場内で撮影する写真・動画は、事業記録として使用するほか、TOKAS 公式ウェブサイト、SNS、YouTube などで公開する場合がございます。また、アーティストのウェブサイトや展覧会で公開するほか、広報目的等で使用する場合がございます。 ・来場者によるパフォーマンス中の撮影は禁止いたします。 |
日時 | 2023年8月19日(土) 15:00-16:30 |
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出演 | ベルトラン・フラネ、ラービッツシスターズ、グシェゴシュ・ステファンスキ |
会場 | トーキョーアーツアンドスペース本郷 |
料金 | 無料 |
言語 | 日英逐次通訳 |
日時 | 2023年9月2日(土) 15:00-16:30 |
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出演 | 新井 卓、太田 遼 |
会場 | トーキョーアーツアンドスペース本郷 |
料金 | 無料 |
太田 遼
トレイシー・スネリング
ベルトラン・フラネ
新井 卓
芦川瑞季
タイラー・コバーン
早崎真奈美
ラービッツシスターズ
空 音央(Zakkubalan)
グシェゴシュ・ステファンスキ
アルバート・トーレン(Zakkubalan)
渡邊拓也