ARAKI Yu
更新日:2017.3.1
1985年山形県生まれ。2007年ワシントン大学美術学部彫刻専攻卒業。卒業制作ではE.マイブリッジに言及した、ネット上の馬の静止画像を繋いだアニメーション《971 Horses + 4 Zebras》を発表。同作品で奥村雄樹氏企画『万物理論』(ナポリ、ダブリン巡回)に参加、また第56回オーバーハウゼン国際短編映画祭にて上映される。2010年東京藝術大学大学院映像研究科修士課程修了。「自己とカメラの関係性」をテーマに制作を行う。在学中に発表した《Deep Search》では、作家自身の身体にカメラを介入させ、自らが飲み込んだ小さなフィギュアを取り出すまでの過程を撮影し作品化した。
これまでの活動を振り返ると、平面や造形的なアプローチへの羨望と拒絶が、結果的に映像作品として立ち現れてきたように思う。平面作品でいう質感が、時として映像内の「暴力」に変わり、立体作品の持つ存在感が、「時間」や「物語性」といった映像表現の要素に変換され、リンクしてきた。このモノへの強い憧れが、映像という表現媒体に回収されていく中で、今まさにどういった方向に進むべきなのか?という問いを、自分自身に突きつけながら考えている。目の前に広がる様々な可能性を、一つ一つ制作を通して検証していきたい時機である。
作品タイトル:Baguette Walk(2010、Digital Video、40:09min.)