プロフィール
サムナンはプノンペンのRoyal University of Fine Artsで絵画を学んだ。2006年に卒業後は活動の幅を広げ、立体作品と写真、インスタレーションといった様々なメディアによる作品を発表するようになる。どのメディアによる作品でも彼は人類学者のような視点で制作を行う。カンボジア社会に内包されている機微を静かに観察し、今日のカンボジア社会における人々の感情や社会問題との関連性について疑問を提起している。
作品/パフォーマンスについて
新しい「髪の毛」を使った立体作品群は、女性がとりつかれる自身や美への欲望や、日本で発見した特有の事象を反映させるものである。
カンボジアで制作された作品の写真:
http://www.sasaart.info/artists/samnang/hair/artists_samnang_hair.htm多くの女性は自身が元来もつ美しさや姿を気に入らず、自分を取り巻く自然を真似たメイクにとりつかれている。パウダーを使い、目の周りをぐるっと描き、瞼の形を整えて目を大きくする人もいる。彼女らは様々な色の髪をして大きな目をした鳥のようだ。耳にたくさんのピアス穴を開けたり、鼻にピアスをする人もいる。もしかしたら彼女らは牛が好きなのかもしれないし、これらの動物のように逞しく力強く見られたいのかもしれない。化学物質を使って髪の色をトウモロコシのようなブロンドにする人もいれば、動物の毛のようなヘアスタイルにする人もいる。