Nadja SCHÖLLHAMMER
更新日:2012.2.1
1971年生まれ。2003年ベルリン芸術大学(ベルリン、ドイツ)卒業。
1主な個展・グループ展に 「INSOMNIA」(Große Kunstschau Worpswed、ヴォルプスヴェーデ、ドイツ、2011年)、「THRILL」(Ancienne Douane、ストラスブール、フランス、2011年)、「TERRA INCOGNITA」(Alexandra Saheb Gallery、ベルリン、ドイツ、2010年)、COMPILATION IV「Echo」(Kunsthalle Düsseldorf、デュッセルドルフ、ドイツ、2009年)、レジデンス・プログラムによる制作「ZYKLOP」(Akademie Schloss Solitude、シュトゥットガルト、ドイツ、2009年)などがある。
ナジャ・シェルハマーの作品は、多層的な空間インスタレーションから小さなドローイング、切り紙ととても幅広い。素材とドローイングやインスタレーションにつかわれる物語において、人間のコントロールが及ばない要素を基にしている。紙や弱い素材が持つ「はかなさ」や「よわさ」に興味があり、紙のオブジェクトや複雑に構成されたドローイングの断片を燃やしたり切ったりすることによって、3次元の構造物を創りだしている。
2003年から2011年に様々な場所で、インスタレーションを制作し、ベルリンでは戦争中に使われていたシェルターでのインスタレーション、モロッコのストリートでは壁画を描き、ヨーロッパでは昔使われていた工場やプロジェクトルームでインスタレーションを行った。また、ギャラリーやミュージアムでも展示をおこなう。
「Unterwegs und en passant」(Galerie Gesellschaft、ベルリン、ドイツ、2012年)、「THRILL」( Ancienne Douane、 ストラスブール、フランス、2011年)、「Mit Seife und Gabeln」(Kunstraum Kreuzlingen、スイス、2011年)、「Akademie Schloss Solitude」(Arbeitstitel、シュトゥットガルト、ドイツ、2011年)、個展「Terra Incognita,」(Alexandra Saheb Gallery、ベルリン、ドイツ、2010年)、「Akademie Schloss Solitude」(Arbeitstitel、シュトゥットガルト、ドイツ、2010年)、「Compilation IV」(Kunsthalle Düsseldorf、デュッセルドルフ、ドイツ、2009年) 、「Centre for Contemp」(Tytul Roboczy、Art Ujazdowski Castle、ワルシャワ、ポーランド、2009年)、個展「Zyklop」(Akademie Schloss Solitude、シュトゥットガルト、2009年)、「Scherenschnitte - Kontur pur」(Museum Bellerive, チューリッヒ、スイス、2009年)、「ICI Berlin」(La Condition Publique、リール、フランス、2009年)、「MAGMA - Goldrausch 2006」(Kunstraum Kreuzberg、Bethanien、ベルリン、2006年)、「Über Schönheit, Web-Projekt www.ueber-beauty.com」(Haus der Kulturen der Welt、ベルリン、ドイツ、2005年)、「Nawarak Lelmal」 (Goethe-Institut Rabat、モロッコ、2005年)、「 Der Freie Wille」(former shelter Treptow、ベルリン、ドイツ2005年)、「Stipendiaten der Karl Hofer Gesellschaft」(Haus am Kleistpark、ベルリン、2004年)、「Colours of Berlin」 (Kunst-Werke、ベルリン、ドイツ、2002年)
2003年から2007年において、Nadja Schöllhammerは、アートの研究をするためにコロンビア(2007年)とメキシコ(2005年)においてDAAD (German Academic Exchange Service)などの助成を受けていた。そこでは、死に関するカルトについて研究を行った。2005年にはthe Berlin Senate の科学・研究・文化におけるNaFöGの助成の一部により、アーティストグループNawarak Lelmalとしてモロッコを視察。2006年にはベルリンにおいてthe postgraduate professional programme Goldrausch Art ITとしてサポートを受ける。早くから彼女はThe Stiftung Kunstfonds, Bonn (2004) や the Helmut-Thoma Prize for Painting、University of the Arts (UdK), Berlin (2003)などから活動支援を受けていた。
2008年から2009年においては、ドイツ、シュツットガルトのレジデンシ―Akademie Schloss Solitudeにおいてフェローアーティストとなる。そこでは、素材の実験を深め3Dドローイングを探求し、巨大な3Dドローイングオブジェクトを燃やす方法を見つけた。2012年には、ドイツのバートエムスにあるレジデンスKünstlerhaus Schloss Balmoralにおいて、レジデンス・アーティストになることが決まっている。そこにおいても、はかなさとその構造、変換の実験を続ける予定である。
・ A grant and working residency programme by Künstlerhaus Schloss Balmoral(バートエムス、ドイツ、2012年)、トーキョーワンダーサイト、クリエーター・イン・レジデンス・プログラム、二国間交流事業プログラム(2012年)
・ A project support grant by Karin Abt-Straubinger-Stiftung(シュトゥットガルト、ドイツ、2011年)
・ support by German artists` fonds by the President (Bundespräsident) of Germany(2010年)
・ Prize for exhibition of the year by Fördervereins of kunst galerie Fürth(2010年)
・ grant and working residency programme by Akademie Schloss Solitude(シュトゥットガルト、ドイツ、2008-2009年)
・ research travel grant by DAAD (German Academic Exchange Service) for Colombia (Bogotá, Cali, Pasto、2007-2008年)
・ Goldrausch art IT postgraduate professional development programme(ベルリン、ドイツ、2006年)
・ NaFöG postgraduate grant for artists by the Senate of Berlin(2005-2006年)
・ research grant by DAAD for art project(メキシコシティー、Michoacán/Oaxaca、メキシコ、2005年)
・ NaFöG research travel grant for Morocco (Asilah, Marakech, Rabat amongst others、2005年)
・ grant by Stiftung Kunstfonds, Bonn (National Endowment of Culture of Republic of Germany(ドイツ、2004-2005年)
・ studio grant by Karl Hofer Gesellschaft(ベルリン、ドイツ、2003-2006年)
・ Helmut-Thoma-Prize for painting, Universität der Künste Berlin、(ベルリン、2003年)
・ scholarship by Stiftung Dorothea Konwiarz(ベルリン、ドイツ、2001-2002年)
紙や有機的な素材でドローイング、3D壁面作品、巨大なインスタレーションを作成。作品の中で、自身の内的空想を迷路のようなイメージの構造に混ぜ合わせている。彼女にとって、ドローイングは人間の欲望や恐れを含む人間の意識の動きを迅速に表現する方法だ。彼女はこれらの力を素材のレベルや内容と物語の要素において探求している。触覚の特徴を持つ紙や有機物質のような壊れやすくはかない素材が出発点となる。
彼女は自身のイマジネーション同様、見知らない、しばし驚くべき、コントロールできない素材にもアプローチする。制作過程で、彼女はドローイング、切り紙、そして最近では火で燃やすことによって、物語の要素をインスタレーションに合体、変形させる。長い過程の中で、それらは成長してスペースになり、重層的な金線細工を作るインスタレーションとして発展する。鑑賞者が身体的な経験をする参加型の作品でもある。