マリオン・パケット

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マリオン・パケット

参加プログラム	二国間交流事業プログラム（招聘）
活動拠点	モントリオール
滞在都市	東京
滞在期間	2023年5月 - 2023年7月

滞在目的

レジデンシーでは、アートと建築が交差する分野横断的なプロジェクトに取り組む。このプロジェクトは、持ち運び可能な建築物や、パフォーマンス的な介入、写真の制作を通して、公共スペースで眠るという日本特有の慣習である「いねむり」という現象を考察する。遊び心のある詩的なアプローチを通して、このプロジェクトは持ち運び可能な休憩所（resting cells）を実体化する。これらの装置を用いて公共空間で眠る被験者のシーンを撮影し、日本の参加者と共同で制作した活動と関連付ける。

滞在中の活動

• アートと建築の交差点／持ち運び可能な建築
  
• 「いねむり」という現象
• 提灯づくりの技法
• 布、ポリプロピレン、紙などの素材の研究

滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

公共スペースでの「居眠り」という日本でよくみられる現象をリサーチした。このプロジェクトは、アートと建築の中間に位置し、持ち運び可能な個室休憩室という形態をとりながら、眠る人がよりくつろげる空間を体験できるよう設計されている。詩的であり遊び心を備えた取り組みで、この装置を使って眠る人々の様子を東京の都市景観の中で撮影したが、そこには日本の参加者とのコラボレーションによって生まれた活気が物語られている。

滞在の成果

日本における特有の睡眠習慣について理論的な研究を行うための場所と時間となった。この期間はまた、プロセスに基づいた素材のリサーチを展開する機会でもあった。このリサーチと並行して、私はさまざまな環境、特に東京の街中や直島で出会ったパブリック・アート作品にも大きな関心を寄せていた。これらの芸術的な出会いは、自身の芸術的な願望やビジョンと強く共鳴する次元に導いてくれた。このようなリサーチが重なり、デザインと建築の実践により深い関心を抱くようになった。この関心に関連して、幸運にも、日本人デザイナーの藤城成貴氏や韓国人デザイナーデュオのKUO DUOなど、多くの才能あるデザイナーや建築家と会い、素材に関する知識や経験を交換する機会を得た。また、建築家であり准教授でもある小見山陽介氏から、京都大学のデザイン・スタジオの最終審査にゲスト講評者として参加するようありがたいお誘いをもらった。京都の旅では、建築学科の学生たちと出会い、彼らの卒業制作のゲスト講評者として交流することができただけでなく、最初のプロトタイプを発表し、彼らのアイデアやコメントを受けながら、自身のプロセスを共有する機会にも恵まれた。最後に、建築家の西毅徳氏、中山夢音氏とお会いする機会があり、素材、理論、歴史について意見交換をすることができたのも大きな喜びであった。
こうした豊かな経験に影響され、デザインと建築が自身の個人的な実践に与える影響をより正確に認識できるようになっただけでなく、それが将来のプロジェクトにどのように役立つかもわかるようになった。特に、新しい作業ツールの開発、より大規模なプロジェクトの構想、デザイナーや建築家とのコラボレーションなど、これらの影響や概念を今後のプロジェクトに統合していきたいと思っている。

クリエーター情報