更新日:2019.11.27
参加プログラム | リサーチ・レジデンス・プログラム |
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活動拠点 | オーストラリア |
滞在期間 | 2010年4月 - 2010年4月 |
滞在の目的は、東京という都市空間に応じたアーバンアートの環境やロカティブ・メディアのプロジェクトについてのリサーチである。これは遊びに満ちた人工的なクロスメディア世界である《The Micronation of Ludea》を構築する、現在継続中のプロジェクトにかかわるものである。東京という都市の構造は、社会的で制度的で空間的で商業的で文化的なシステムやルールのネットワークから成る一組のメディア環境のように見える。《The Micronation of Ludea》はそのような環境のなかで再生できるようにしたい。
Workshop
このプロジェクトは、参加型のアートプロジェクトを通じて、東京のポップカルチャーと《Ludea》というゲームのカルチャーとの交流を提案するものである。プレーヤーは(1)アイコンをつくり、(2)散歩をし、(3)写真を撮り、(4)それをオンラインに載せるという作業に参加する。
滞在制作成果
滞在の主たる目的は、東京の都市空間のなかで繰り広げられる、遊びに満ちた人工的なクロスメディア世界である《The Micronation of Ludea》の実地探査にあった。東京という都市の構造は、社会的で制度的で空間的で商業的で文化的なシステムやルールのネットワークから成る一組のクロスメディア環境のように見える。リサーチは、フュラー(Fuller)のメディア環境についての構想と、近年のオルタナティブ・リアリティ・ゲーム(ARG)発展の成果とを利用して行われた。
《Ludea》における都市のコード構築(コードメイキング)のプロセスのうちのひとつはワークショップである。それは、(1)アイコンをつくり、(2)散歩をし、(3)写真を撮り、(4)それをオンラインに載せる、という4つのステップのアーバンアート・プロジェクトを通して、人々に環境構築(プレイスメイキング)に参加してもらうというものであった。このことは、東京の都市空間を探るにあたって三つ折のプロセスを可能にした。まず最初は心理地理学の一種として、次に、既存の場所に新しい意味を刻むタグをつけるプロセスによって、3番目には視覚の文書化やネーミングの慣習を使ってフィクションの世界の地図に場所を書き込むことを通じて、である。
交流事業成果
TWSでのリサーチは、主に以下の3点として結実した。
1. 「Tokyo Pop// Ludean Play; an exchange」に関するショートフィルムとインスタレーションの材料となる写真とビデオ映画
2. 下北沢を舞台にしたオルタナティブ・リアリティ・ゲームの、サイトのリサーチと初期デザイン。
3. 《The Micronation of Ludea》における都市のコード構築の実践に向けたコンセプト部分の作業とリサーチ
これらの成果は、個展とパブリックアート作品に向けた残りの2010年において、オーストラリアのメルボルンにある私のスタジオ作品の目玉となるだろう。また、東京滞在中に何人かのキュレーターに出会った。作品の進展について彼らとは今後も連絡を取り合うことにしている。