接近、動き出すイメージ

ACT(Artists Contemporary TOKAS)

接近、動き出すイメージ

ACT(Artists Contemporary TOKAS) Vol. 4

トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)では、公募展や企画展、海外派遣などを通じて、段階的、継続的にアーティストの活動を支援しています。2018年度に開始した「ACT(Artists Contemporary TOKAS)」は、TOKASのプログラムに参加経験のある作家を中心に、注目すべき活動を行っているアーティストを紹介する企画展です。今年で4回目となる本展は、時空間の構造を取り入れた絵画やインスタレーションを制作する齋藤春佳、物語活動家やデザイナーとしても活動を行う中澤大輔、そして架空の画家に擬態するユアサエボシの作品によって構成します。

3名のアーティストは、過去の出来事を起点にしながら、想像力を介入させることによって、共有されている時空間の拡張を試みる作品を制作しています。本展で齋藤と中澤は、1928(昭和3)年に建設されたTOKAS本郷の建物の歴史から着想した新作を発表。ユアサは、同時代に生きた架空の画家・ユアサヱボシの絵画を展示します。過去の出来事を現在に接続させるこれらの作品は、私たちが生きる社会の構造を顕在化させ、世界の異なる見方を提示します。昭和から令和へ、時代の流れとともに多様な人々が交流してきたTOKAS本郷の建物を舞台に、今ここに存在しない時間に接近することで、眼前の光景を再考する契機となることを目指します。 

開催概要

タイトルACT (Artists Contemporary TOKAS) Vol. 4
「接近、動き出すイメージ」
会 期
2022年2月5日(土) - 2022年3月21日(月・祝)
時 間
11:00-19:00
休館日2/7、2/14、2/21、2/28、3/7、3/14
会 場
トーキョーアーツアンドスペース本郷
アーティスト齋藤春佳
中澤大輔
ユアサエボシ
入場料
無料
主 催公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 トーキョーアーツアンドスペース

アーティスト

《影の形が山》 2017

齋藤春佳|SAITO Haruka 

1988年長野県生まれ。東京都を拠点に活動。
時間という概念を物体の運動エネルギーによる変化の総体と捉え、出来事を時空間の構造と結び付けた絵画やインスタレーションを制作している。身の回りで起きた事象を作品に留め、観る人が知覚した空間における時間の操作を試みている。
本展では、TOKAS本郷の建物が建造時に工期が遅れたこと、また1945年の空襲によって被災したことに着目し、建物の変化をテーマにした映像インスタレーションを発表する。建物が建設され、消失し、修復によって再び現れるという時空間の変化を、発声される言葉や、物体の動きによって生まれる風に重ね合わせて表現する。 

《Passage Tells: Shibuya》 2017

中澤大輔|NAKAZAWA Daisuke 

東京都と京都府を拠点に活動。
人や場所、社会や習慣といった日常の背後に潜む小さな物語を収集・再構成し、演劇・文化人類学・建築などの手法を用いて、オルタナティブなものごとの見方を発見するための体験型作品を制作している。
本展では、TOKAS本郷の建物がかつて東京市本郷職業紹介所であったことに着想を得て、現代版の《本郷職業紹介所》を期間限定でオープンする。参加者は、さまざまな職業・立場の人たちに聞いた「働く意味」を鑑賞した後、紹介所の“職員”と面談し、自身の仕事についての振り返りを行う。人生の多くの時間を費やす仕事といかに向き合うべきか、過去と現在を横断しながら、参加者自身が働く意味について考える場をつくる。 

■職業紹介所の面談■
1月12日15:00より予約受付開始。鑑賞のみの予約は不要です。

《女性工員No.1》 2016

ユアサエボシ|YUASA Ebosi 

1983年千葉県生まれ。千葉県を拠点に活動。
大正生まれの架空の画家であるユアサヱボシ(1924~1987)に擬態し、創作に取り組んでいる。当時の時代背景だけでなく、福沢一郎や山下菊二など、実在した人物を架空の略歴に登場させ、これまで語られてきた歴史に巧妙なフィクションを織り交ぜながら制作している。
本展では、ユアサヱボシが1960~1970年代に描いたとされる作品を発表する。シュルレアリスムやルポルタージュ絵画、アメリカ文化などに影響を受けた作風により、実際にあり得たかもしれない歴史を提示するとともに、現代を多様な視座で捉えようと試みる。 

関連イベント

ACT Vol. 4「接近、動き出すイメージ」アーティスト・トーク
日時2022年2月5日(土) 16:00-17:30
出演齋藤春佳
中澤大輔
ユアサエボシ 
会場トーキョーアーツアンドスペース本郷
料金無料(予約制)


齋藤春佳


中澤大輔


ユアサエボシ

撮影・編集:日景明夫

*新型コロナウイルスの感染状況により、実施内容が変更となる場合があります。
*イベント開催等における感染防止安全計画等について

オンラインイベント|対談 中澤大輔×西村佳哲

本展で、働く意味をテーマにした作品《本郷職業紹介所》を発表している中澤大輔が、働き方研究家の西村佳哲さんをゲストに迎え、オンラインイベントを開催します。

人生の多くの時間を費やす「働く」とは何か、「働く意味」をどのように取り扱うのかについて、出展作品を起点にお話しします。また、展示スペースでインタビューを撮影し、本人が後日それを観ながら振り返ったり、他者と共有したりする本作品の試みをとおして、インタビューという行為を再考します。働く意味やインタビュー手法に興味のある方もぜひご参加ください。

日時2022年3月13日(日) 19:00-20:00
出演中澤大輔
東京都と京都府を拠点に活動。 人や場所、社会や習慣といった日常の背後に潜む小さな物語を収集・再構成し、演劇・文化人類学・建築などの手法を用いて、オルタナティブなものごとの見方を発見するための体験型作品を制作している。

西村佳哲
1964年東京都生まれ。東京都と徳島県を拠点に活動。プランニング・ディレクター。リビングワールド代表。働き方研究家。つくる・書く・教える、大きく3つの領域で働く。著書に『自分の仕事をつくる』(ちくま文庫、2003年)など。
料金無料
参加方法予約フォームに必要事項を入力の上、お申し込みください。
開催日前日までに配信用URLをメールにてお知らせします。
オンライン配信はZoomで行う予定です。
※申込多数の場合は、予約受付を終了する場合があります。
TOKAS本郷の建物について

TOKAS本郷の建物は、関東大震災の復興計画の一環として、1928年に東京市が職業紹介所として建設しました。1949年に公共職業補導所となり、長く職業訓練校として使用された後、2001年にアートセンターとして開館しました。

制作:スタジオランディノーツ
(powered by @Matterport)
協力:町田祐一(日本大学生産工学部専任講師)

参加クリエーター

中澤大輔
齋藤春佳
ユアサエボシ

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