レジデンス成果発表展覧会 「TOKYO STORY」|TWS本郷

レジデンス成果発表展

レジデンス成果発表展覧会 「TOKYO STORY」|TWS本郷

"We all die. Let's talk about the real thing." "What is the real thing?"

エキジビジョン

開催情報

タイトルレジデンス成果発表展覧会 「TOKYO STORY」 "We all die. Let's talk about the real thing." "What is the real thing?"
会 期2010年5月1日(土) - 2010年5月23日(日)
時 間 11:00 - 19:00
入場料無料
主 催公益財団法人東京都歴史文化財団 トーキョーワンダーサイト
協 力アジアリンク / ガートルード・コンテンポラリー・アート・スペース (オーストラリア)、イアスピス(スウェーデン)、シテ・デザール / サンキャトル / パリ市 / 在日フランス大使館(フランス)、アンガール(スペイン)、台北国際芸術村(台湾)、SAMUSO: Space for Contemporary Art (韓国)、SCAI THE BATHHOUSE
会 場トーキョーワンダーサイト本郷
アーティスト国内クリエーター制作交流プログラム:村上華子、寺澤伸彦、山本高之 二国間交流事業プログラム(派遣):COBRA、佐々木加奈子、志村信裕、松原壮志朗、渡邉康太郎、
TOKYO STORY
In TWS hongo

今回、TWS渋谷、TWS本郷、TWS青山全館で平成21年度(2009年4月-2010年3月)までに行われたレジデンス事業の成果報告を行っています。 TWS本郷では、海外派遣とTWS青山で長期滞在の国内クリエーターの成果報告を行っています。
TWSは、新しい東京のアートの「サポートストラクチャー」として機能すべく、さまざまな試みを行っています。その活動の大きな柱の一つがアーティスト・イン・レジデンス事業です。この事業の開始には2001年のTWS開設当初から取り組んできました。5年後の2006年にようやくTWS青山を拠点に事業開始することができました。アーティスト・イン・レジデンスはアーティストにとって作品制作に集中し深化させる機会であり、または初めての土地を訪ねることで新しい発見が生まれたり、新たな出会いの機会でもあります。残念ながら日本では、このレジデンスは多くは行われていません。それは助成金の問題やレジデンス事業がまだなじみがないなど、さまざまな要因が考えられます。東京においても、長年にわたって本格的なレジデンスの設置が望まれながら果たせずにいました。 TWSのレジデンス事業はいくつかの核となる考えに基づいたプログラムがあります。

  1. クリエーター・イン・レジデンス
    普通はアーティスト・イン・レジデンスと呼ばれますが、この名称はなじみのあるものではありません。世界にあるレジデンスの大半は美術のアーティストを対象にしたものです。しかし、本当に美術作家だけがレジデンスを望んでいるのでしょうか。世界でレジデンス事業を確固たるものにしたドイツのクンストラーハウス・ベターニエンの初代館長は設立の経緯を振り返って、既成の分野を超えた領域横断の実験ができる場所をつくろうと考えてアーティスト・イン・レジデンスを開設したと語っています。新たなクリエイションの母体、それは既成の分野や考えにとらわれないところから生まれてくるのです。そしてここ東京は、世界中からデザインとアートやミュージック・シーンが融合する場所として認識されています。TWSでは、そこに注目し、東京のメルティング・ポットとしてのレジデンス事業を展開しています。現在TWSではクリエーター・イン・レジデンスとして美術の分野におけるアーティストのみならず、キュレーター、デザイン、建築、作曲家、演奏家、演出家などのクリエイティブな分野全般を対象として活動をしています。
  2. パートナー機関との連携
    現在、世界では国際的にアーティストの派遣、招聘を行っている機関があります。多くは国の機関ですが、その活動は世界中にネットワークを構築し、世界の最先端を走るアーティストを多く生み出すことになっています。TWSでは、そのような機関とパートナーとして連携し、東京のアートシーンを世界のアートシーンと緊密に結びつけることを目指しています。スウェーデンのIASPIS、オーストラリアのASIA LINK、台北の台北芸術村、スイスのIAAB、フランスの104、など現在もパートナー機関を増やし、積極的にネットワークしていこうとしています。
  3. 世界へ派遣
    現在、日本で行われているアーティスト・イン・レジデンス事業の大半は招聘事業です。招聘も重要ですが、TWSはもっと多くの日本人アーティストが海外のレジデンスで活動を行えることが重要だと考え、派遣を行っています。日本はもっとクリエーターに機会を提供することが重要です。同時にアーティストの派遣は主に助成団体の仕事です。しかし、日本ではレジデンスを行う助成団体が少ないですし、実際はプログラム・オフィサーのような存在がしっかりとレジデントの選定を行い、そしてレジデンスでのプロジェクトのファシリテーションを行うことがとても重要です。アーティストは派遣されて滞在することが目的でなく、そこでリサーチ、作品制作を行うことが重要なのです。だからTWSのようなアートセンターが行う派遣には大きな意味があると考えています。
  4. 日本人アーティストの長期滞在
    世界を代表するレジデンス・プログラムの多くは、自国のアーティストと海外からのアーティスト両方が滞在するプログラムを実施しています。自国のアーティストの場合、長期間の滞在を支援することが多いです。自国のアーティストが自分のプロジェクトを発展させることのみならず、世界中から滞在してくるアーティストたちとの交流から、さまざまな学びの機会となることも重要なことだからです。TWSでも平成21年度から4名のクリエーターをTWS青山で約1年間長期滞在、制作を行うプログラムを開始しました。今回の成果発表が本プログラムの初めての成果発表となります。
  5. キュレーションならぬファシリテーション
    キュレーションは展覧会を企画実施するプロフェッションに対する言葉です。キュレーションとは、「展覧会はキュレーターの頭の中にある」とある建築家が言ったように、展覧会が一つの考えに基づいて行われることを意味します。しかし、現在キュレーションの意味は拡大し、というよりも、常にアーティストたちは既成の枠組みと戦い続けることも、一つの大きな役割であるとすると、その役割をも問い直されていると言っていいでしょう。その問いはもちろん美術館という制度に向かい、マーケットという制度に向かいます。TWSはその中間にいる存在です。そして「プロダクション・サイト(創造の現場)」であることこそ重要であると考えています。出来上がったパッケージを移動することではなく、実験的な試みや、画廊や美術館ではできない試みをこそ試せる場所であろうとしています。ですので、私たちの仕事はアーティストの仕事をファシリテートし、一緒に伴走して走ってゆくことです。そのような立場からレジデンスのクリエーターたちの作業をサポートしています。


今回の成果報告展示には
長期滞在(国内クリエーター制作交流プログラム)に参加した、山本高之、村上華子、寺澤伸彦が参加しています。
渡邉康太郎、志村信裕、佐々木加奈子、COBRA、松原壮志朗は派遣で海外のレジデンスに滞在しました。(渡邉康太郎はスウェーデン、ストックホルムの IASPIS(2009年11月~12月)、志村信裕は台北国際藝術村(2010年1月~3月)、佐々木加奈子はフランス、パリの104(2010年1 月~3月)、COBRAはオーストラリア、メルボルンのアジアリンク / ガートルード・コンテンポラリー・アート・スペース(2010年1月~3月)、松原壮志朗はスペイン、バルセロナのHANGAR(2010年1月~3月)へ派遣されました。派遣先の機関は各国を代表するレジデンス機関で、世界各地から才能のあるクリエーターたちが集まってきます。派遣されたクリエーターたちは、各地で有意義な経験をし、大活躍して帰国してきました。今回、お見せできるのは活動のほんの一部でしかありませんが、その滞在が実り多いものであったことがお察し頂けると思います。
今回レジデンス・プログラムに参加したアーティスト、クリエーターたちが、今回の経験をもとに大いなる飛躍を遂げ、次の日本を代表するクリエーターとなってくれることを願っています。

トーキョーワンダーサイト館長 今村有策


関連イベント

オープニング・レセプション

日時:5月1日(土)17:00~18:00 ※終了しました  
どなたもお気軽にご来場ください。

人形劇 Magallanica


企画/松原壮志朗、COBRA
音楽/ 工藤信之、山口浩太郎 他
日時:
5月15日(土)18:00~開場(18:30公演開始)、
5月22日(土)18:00~開場(18:30公演開始)
入場無料、予約不要 どなたもお気軽にご来場ください。

- あらすじ -
この人形劇は"COBRAのメルボルン滞在記"である。一月三日彼は、アートレジデンスのため成田空港から飛び立った。行き先はオーストラリアのメルボルン。彼は、はじめての海外生活に胸を躍らせる。自分の可能性を信じていた。しかし、彼がこれから迎える近い未来の出来事は、未だかつてないほど波乱に満ちたマジカルミステリーツアーの入り口だった。滞在中にメルボルンの街をさまよいたどり着いたのは、「HELLgallery」という場所だった。そこにいる人間は、みな口を揃えて[GO TO HELL!!!!GO TO HELL!!!!]という。この物語は"COBRAのメルボルン滞在記"である。
トーク・セッション
≪「澤田家の火事」をめぐって≫開催!
岡田利規(チェルフィッチュ)×粟田大輔(美術批評家)×村上華子
日時:5月16日(日)18:00-19:30 村上華子
展示会場(3Fにて)
国内クリエーター制作交流プログラム参加作家(2009年5月-2010年3月)・村上華子氏が岡田利規氏(演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰)、粟田大輔氏(美術批評家)の2名をお迎えし、作品≪澤田家の火事≫会場内にてトークセッションを行います。
入場無料、皆様のご来場をお待ちしております。 

参加クリエーター

COBRA コブラ
松原壮志朗
村上華子
佐々木加奈子
志村信裕
寺澤伸彦
渡邉康太郎
山本高之

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