更新日:2026.6.3
| 参加プログラム | リサーチ・レジデンス・プログラム |
|---|---|
| 活動拠点 | ソウル |
| 滞在都市/滞在先 | 東京 |
| 滞在期間 | 2026年5月 - 2026年7月 |
レジデンシーに参加する目的は主に2つあり、第一に、満州国の視覚文化と、テクノ・ユートピア主義およびテクノ・オリエンタリズムとの交差性を考察する博士論文に向けた予備調査を行う。これは、以前中国東北地方で行った現地調査では十分に進めることが難しかった研究である。
第二に、今後の関連プロジェクトに向けて、日本の研究者やアーティストとの関係を築く。日本には豊富なアーカイブと活発な学術コミュニティが存在するため、TOKASは博士論文の研究およびそれに関連する共同プロジェクトを推進する上で、最も生産性の高い拠点と考えている。
レジデンシー期間中は、傀儡国家・満州国(1932-1945)の視覚文化と、テクノ・オリエンタリズムの言説との関連性を調査し、大日本帝国のテクノ・ユートピア像が、現代の視覚文化におけるアジア都市のディストピア的な表現をどのように予見していたのかを考察した。
研究は2つの軸に沿って進めた。準備段階の理論研究として、書籍『Techno-Orientalism 2.0: New Intersections and Interventions』の韓国語への共同翻訳を行った。フィールドワークとしては、東京、名古屋、京都、鳥取の図書館や美術館・博物館を巡り、満州国の写真グラフ誌『満洲グラフ』、ポスター、絵葉書などを調査した。これらの研究成果を、TOKASで開催されたイベントや東京藝術大学で発表し、今後予定されている展覧会と出版に向けた、日本を拠点とする研究ネットワークを構築した。
レジデンシーをとおして、主に2つの成果が得られた。第一に、書籍『Techno-Orientalism 2.0: New Intersections and Interventions』(Aim Han氏との共同翻訳)の韓国語訳を完成させ、オープン・スタジオで初めて一般に公開した。第二に、国立国会図書館、東京都立図書館、東京国立近代美術館での文献調査、および満蒙開拓平和記念館(長野)、 名古屋、京都、および祐生出会いの館(鳥取)への訪問を通じて、満州国時代の資料に関する視覚的・テキスト的なデータベースを構築した。満州国のビジュアル・メディア研究の第一人者である貴志俊彦教授へのインタビューは、私の分析を深化させる上で極めて重要な役割を果たした。これらを踏まえ、本プロジェクトの中核となる論旨を洗練させた。すなわち、満州国は「未来としてのアジア」という視覚的文法が体系化された初期の実験場として機能し、この同じ文法が後にサイバーパンク的なディストピアへと転化された、というものである。
TOKASや東京藝術大学で、この論旨の各段階を順次共有し、日本を拠点とする研究者、キュレーター、アーティストとのネットワークを構築した。

オープン・スタジオでの展示風景

オープン・スタジオでのプレゼンテーション

書籍『Techno-Orientalism 2.0: New Intersections and Interventions』の韓国語版