Synphysica(方 志軒<ファン・チーシュアン>&周 巧其<チョウ・チャオチー>)

レジデンス・プログラム

海外クリエーター招聘プログラム

更新日:2026.1.27

Synphysica(方 志軒<ファン・チーシュアン>&周 巧其<チョウ・チャオチー>)

参加プログラム海外クリエーター招聘プログラム(個別プロジェクト)
活動拠点台北
滞在都市/滞在先東京
滞在期間2026年1月 - 2026年3月
滞在目的

本プロジェクトは、日本の庭園や盆栽文化に着想を得て、人間が管理する環境と生態系の自己調節機能との関係を探究するものである。レジデンス期間中は、東京の歴史的庭園や周辺の森林景観でフィールドリサーチを行い、庭園と森林のあいだの生態的分布を分析するとともに、これらの構造が自然林の広範な生態的イメージをどのように拡張するかを探る。生きた植物と環境センサーおよび制御技術を統合することで、森林の生態系をさまざまに解釈する余地を残しつつ、伝統的な造園美学と現代の生態学的実践をつなぐ空間的、生態学的なインスタレーションの展開を目指す。

滞在中の活動

・ 国風盆栽展の訪問
・盆栽展示がある庭園の訪問、探索

滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

本プロジェクトは、日本の庭園保全や盆栽文化に着想を得て、人間が管理する環境と自己調整を行う生態系との関係性を探ったものである。レジデンス期間中、東京の歴史ある庭園や周辺の森林でフィールドリサーチを行い、景観における植生のパターンや環境的特徴を記録した。手入れされた庭園と自然の森林の関係性を検証することで、異なる環境が、森林の生態系に対する理解と想像力をどのように広げてくれるかを探究した。
生きた植物と環境センシング・制御技術を融合させるという実践を基盤に、ミニチュア景観と複合現実(MR)を取り入れた空間・生態的インスタレーションを展開。物理的な環境とデジタル空間の相互作用を通じて、伝統的な園芸美学と現代のコロジカル・アートの実践との対話を確立するとともに、森林生態系を体験し解釈するための新たな可能性を切り拓くことを目指した。

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大宮盆栽村内、清香園外観

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清香園にて添草について学ぶ

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六義園(冬季メンテナンスと庭園における視覚的高さ制限)

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スキャニングと素材収集 
写真:李 承亮

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第100回国風盆栽展 訪問

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国風盆栽展にて、添草例

滞在の成果

レジデンス期間中、制作に反映させるべく、伝統的な庭園や盆栽展、近隣の森林に関する基礎的なリサーチを行った。9か所の歴史的な庭園や大宮盆栽村、周辺の森林への訪問をとおして、東京が伝統文化と生態環境を大切に守り、育み続けていることを深く実感できた。
こうした精神は東京の歴史や日常の営みにも表れており、自然災害を経て移転した大宮盆栽村の回復力、第100回国風盆栽展開催の裏の献身、そして庭園の保全と都市開発の両立を目指す東京都建設局のきめ細やかな取り組みなどがある。その取り組みとしては、庭園の景観を守るための建築物の高さ制限や、植物の成長を保護しツーリズムを管理する入園制度などが挙げられる。なかでも私たちの心を強く動かしたのは、1966年から1974年にかけての殿ヶ谷戸庭園を救う市民運動から、貴族ではなく町民の手によって造られた向島百花園に至るまでの、一般の人々の持つ力である。こうした取り組みが相まって、東京における伝統と現代の共存を形作ってきた。
リサーチを通じて、自然災害や現代社会のニーズがこれらの景観をどのように形づくってきたのかについても明らかになり、こうした保全活動に対立や困難もあったという歴史に深い感銘を受けた。共有する環境を保全するうえで、対話し、継続的に交渉していくことの重要性を教えてくれた。都市開発は、必ずしも除去や再開発を意味するのではなく、人々と植物、都市が共存し、共に繁栄する方法を見出せるかもしれない。
こうした敬意を、作品をケアする姿勢に反映させた。私たちの実践は生理学的データの分析とリアルタイムの応答を基盤としており、展覧会後には、植物が引き続き大切に育てられるよう、世話を継続してくれる引き取り手を手配した。今後は、技術的発展を文化的・哲学的な考察と結びつけ、歴史的な文脈に目を向けながら、常に「他者への敬意」を実践の中心に据えていきたい。
再びTOKASで活動する機会があれば、庭園の管理に携わる熟練の方々や、地域の園芸の専門家、森林研究者の方々との交流に、より積極的かつ深く取り組みたい。

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