更新日:2026.1.16
| 参加プログラム | 二都市間交流事業プログラム(招聘) |
|---|---|
| 活動拠点 | バーゼル(スイス) |
| 滞在都市/滞在先 | 東京 |
| 滞在期間 | 2026年1月 - 2026年3月 |
レジデンシー期間中は、東京の日常的な空間に身を置き、素材性、儚さ、そしてオブジェクト文化がどのように根づき、経験されているのかを探る。主な関心はテキスタイル素材にあり、日暮里繊維街などを訪れながら、地域に根ざした布や素材についてリサーチを行う。 同時に、建築やインテリア、あいだに存在する中間的な空間をドローイングなどをとおして観察・記録し、後に彫刻作品へと展開できるかたちで蓄積していく。また、空間を仕切る半透明で多次元的なオブジェクトとしてのパラヴェント(衝立)を中心とした今後のシリーズに向けて、アイデアの調査と収集を行う。このレジデンシーは、集中的な観察、素材の探究、そして思考を深めるための時間となる。
ここ東京での滞在期間中、私はテキスタイルや障子といった日本の伝統的なインテリア要素に焦点を当てた。特に、布地や建築、インテリアにおいて、格子やパターンの反復を通じて構造がどのように現れるかに興味を持っていた。 街を歩きながら、建物やそのファサードを観察していると、それらがまるで織り上げられた表面のように、いかに構造化され、層を成しているかに気づいた。テキスタイルと建築のこの比較は、日々の観察を通じて徐々に深まっていった。 同時に、伝統的な内装が残る場所を探そうとしたが、現代の東京ではそう簡単には見つからなかった。そこで、江戸東京たてもの園など、復元された史跡や建築物を訪れ、保存・再現された建物とその内装を観察した。さらに、日本の素材やテキスタイルの生産についてより深く学ぶため、日暮里繊維街や岡谷蚕糸博物館にて素材研究を始めた。

江戸東京たてもの園でのリサーチ

松本にある旅館でのリサーチ
岡谷蚕糸博物館を見学
東京での滞在中、私はテキスタイル、建築、インテリアへの関心を結びつける方法を徐々に見出していった。明確な結果を目指すというよりは、異なる文脈――布地、建物のファサード、空間の構成方法など――において、いかにして類似した構造が現れるかに注意を向けることが、私の研究の指針となった。 東京を歩き回り、さまざまな場所を訪れる中で、私は印象を収集し、それらを水彩画として記録した。それは一種の視覚的なノートとしての役割を果たしていった。これらの絵は、単なる記録というよりは、街で出会った質感、構造、雰囲気といった、はかない観察の瞬間を留めておくためのものだった。 松本にある旅館に滞在したことは、私の研究に欠けていたピースを埋めるような感覚だった。そこでは、単に通り過ぎるのではなく、その場所に身を置き、時間を過ごすことができたからである。こうした室内空間に身を置く体験を通じて、構造、素材、そして日常的な使い方の関係性がより具体的に感じられるようになった。部屋のプロポーション、素材、光といった細かなディテールが、よりゆったりとした、身体感覚を伴う観察の一部となっていった。 こうした観察の一部をより物理的かつ空間的な思考プロセスへと変換する手段として、私は小さなマケット(模型)制作に取り組んだ。それらは固定された模型ではなく、「オープン・スタジオ」で私の研究を発表するための媒体だった。この経験を通じて、自身の芸術的実践においてリサーチにより多くの時間を割き、そうして得た印象を新たな作品シリーズへと徐々に発展させていくことの重要性を、改めて認識することとなった。

紙に水彩で描かれた9点の連作、2026年
写真: 間庭裕基

絹、綿、ステンレス鋼で作られた模型、2026年
写真: 間庭裕基

オープンスタジオでの展示、2026年
写真: 間庭裕基

オープンスタジオでの発表用に制作された短編動画からの静止画、2026年

オープンスタジオでのプレゼンテーション、2026年
写真: 間庭裕基