ミネア・ミルカン

レジデンス・プログラム

キュレーター招聘プログラム

更新日:2025.9.12

ミネア・ミルカン

参加プログラム キュレーター招聘プログラム
活動拠点ブカレスト(ルーマニア)
滞在都市/滞在先東京
滞在期間2025年10月 - 2025年11月
滞在目的

私の現在のリサーチは「変身(メタモルフォーシス)」という主題に集中している。すなわち、死の危機に直面した身体が別の身体へと変化し、この世界での新たな存在のあり方を獲得するという状況である。このとき、図と地の関係が再構成され、自我と環境の双方が変容する。私は、変身のイメージを用いて、危機の中にある存在を描く身振りのアーカイブを構築している。制御を超えた力によって変容していく世界の中で、私たちが「何になりうるのか」を学ぶための、別様の身体の集積、「ソマテーク(身体のアーカイブ)」である。
このレジデンシーは、私の「変身(メタモルフォーシス)」に関する探究の地理的視野を広げる絶好の機会であると考えている。神話や現代の実践における変身と、現在の問いや不安とのつながりを、異なる文化的文脈の中で学ぶことができるからである。神話は、他の手段では語ることのできないことを語る、特有の象徴的機能を担っている。その逆説性や非論理性、物理的不可能性は、現在における集団的な慰めの場面を生み出す。現代アーティストの手にかかると、物語や寓意的な装置は、過去と未来、混沌と形のあいだを行き来する望遠レンズのような役割を果たす。

滞在中の活動

日本においては、変身の神話がいかに社会の自己認識への問いかけとして、また歴史や現在を批評するための芸術的手段として、繰り返し語られてきたのかを理解したいと考えている。私の最初の問いは非常にシンプルである——「なぜ神話は繰り返し語られるのか?」ということだ。それらはどのような欲望、危機、集団的な危険感覚や慰めの必要に応えるのか。変身というフィクションと現実世界との関係は何か。変身の神話は、人間的な意味づけを担った非人間的な存在たち——モンスターや幽霊、ハイブリッド、生き物、他者の身体——に人格を与える。それによって、彼らは人間化され、同時に非人間化もされ、「人間であること」の恍惚と悲惨を体現する。 私は、民俗学者、人類学者、文化史家の研究、さらに作品鑑賞や芸術的実践を通して、これらの力や変換が日本という特有の文脈の中でどのように組織されているのかを研究したいと考えている。

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