クリス・クラミツ

レジデンス・プログラム

二都市間交流事業プログラム(招聘)

更新日:2025.1.24

クリス・クラミツ

参加プログラム 二都市間交流事業プログラム(招聘)
活動拠点ロサンゼルス
滞在都市/滞在先東京
滞在期間2024年10月 - 2024年11月

*クリス・クラミツの滞在はCall to Dream: The Sam Francis Fellowshipを通じた18th Street Arts CenterとTOKASとのレジデンス・パートナーシップにより実現しました。

滞在目的

多くのアーティストのスタジオや文化施設、特に、公共空間で活動するアーティスト・コレクティブやソーシャリー・エンゲイジドな活動をするアーティストを訪ねたいと考えている。

滞在中の活動
  • アーティストのスタジオ訪問
  • キュレーターとの面会、日本の文化機関や地域団体と関係構築
  • 日本のサイト・スペシフィックなアート・プロジェクト/プログラムのリサーチ
滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

キュレーションを実践する上で、自身が関心を寄せている様々な領域を探求でき貴重な機会となった。特筆すべきは、日々の仕事の中では後回しにされることの多い、作品を見たり、アーティストやキュレーターと知り合ったり、といったことを優先して行えたことである。今回の滞在では、東京内外のアートとアーティストの活気のあるエコシステムに触れることができ、きわめて有意義であった。アーティストたちはそれぞれ、場所や地域コミュニティに呼応した活動を行ったり、20世紀初期から中期の軍事や政治にまつわる複雑な歴史に取り組んだり、個人またはコレクティブとして、活動を通じ社会的な変革ののろしを上げることに注力したりしていて、そうした彼らとつながりを持てたことは特に意味があったと考えている。また、共同キュレーターとしてロサンゼルス現代美術館で2026年9月に開催予定のグループ展に向けた準備を進めており、イサム・ノグチと長谷川三郎のリサーチを広島、大阪の国立国際美術館、京都近代美術館で行うこともできた。

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「BENTEN 2024」チェン・ティエンジュオ(作・出演)、Siko Setyanto(出演)、西原鶴真(演奏)によるパフォーマンス、上演会場:新宿歌舞伎町能舞台、2024年11月

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吉田志穂個展「印刷と幽霊」 作家本人によるツアー、BUG、2024年11月

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SIDE COREによる個展「SIDE CORE展|コンクリート・プラネット」より《Rode Work Under City》展示風景、ワタリウム美術館、2024年10月

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「SENSE ISLAND/LAND 感覚の島と感覚の地 2024」 齋藤 精一《JIKU #021 SARUSHIMA》、2024年10月

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「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024」 日比野克彦とコラボレーターによる「明後日新聞社」プロジェクトより、新潟県十日町莇平、2024年11月

滞在の成果

東京でたくさんの素晴らしいアーティストやコレクティブと関係を築くことができ、アプローチや関心の面で、自身がアメリカで一緒に仕事をしたことがあるアーティストたちと彼らを対比できたことは有意義であった。以前に実施したアジア系アメリカ人の活動家グループのリサーチに始まり、自身は社会変革を目的とする集団的・個人的活動を行うアーティストを探し出してきた。この取り組みは様々な形で行っていて、中には公然のものもあればそうでないものもあるが、活動を通じ、意味のあるやり方で権力構造に疑問を直接投げかける多くのアーティストたちと知り合った。また、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」やベネッセアートサイト直島、歌舞伎町の「BENTEN 2024」、横須賀と猿島の「SENSE ISLAND/LAND 感覚の島と感覚の地 2024」といった数多くの多様なサイト・スペシフィックなアート・フェスティバルやアート観光地を訪ねた。砂漠にある田舎町であるカリフォルニア州ボレゴ・スプリングスでの地域密着型 特設パブリック・アート・フェスティバル「Candlewood Arts Festival」のキュレーターとして、多くのアーティストが彼らが拠点とする地域コミュニティや場所に深くかかわり合っていることに大変感動を覚えた。また、自身が共同企画し、第二次世界大戦中の強制収容により生活や活動を制限された世代の日系アメリカ人アーティストに関するロサンゼルス現代美術館での展覧会に向け、さらなるリサーチができたことにも大変満足している。イサム・ノグチと長谷川三郎の活動と関係性はこの展覧会にとって重要な物語になるであろう。日本にいる間に、広島と同地のノグチの手による平和大橋を訪ね、20世紀中期の日本とアメリカのアーティストの交流について追加リサーチを行い、大阪と京都では美術館に所蔵されている長谷川の作品をいくつか鑑賞することもできた。

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