モリッツ・ノイミュラー (ArteConTacto)

レジデンス・プログラム

リサーチ・レジデンス・プログラム

更新日:2024.8.5

モリッツ・ノイミュラー (ArteConTacto)

参加プログラム リサーチ・レジデンス・プログラム
活動拠点リンツ(オーストリア)、バルセロナ
滞在都市/滞在先東京
滞在期間2024年2月 - 2024年3月
滞在目的

ArteConTactoプロジェクトを日本で展開する。このプロジェクトは、芸術的実践、インクルージョン、多感覚的な体験を伴うもので、特別な支援を必要とし、芸術に対する特別な疑問を持つ人々とのワークショップや参加型の芸術体験によって推進されている。知覚、記憶、認知、コミュニケーションに関連する彼らの違いや困難は、芸術体験の中に「普通の」人々とは別のものを探し、実践することを可能にする。この芸術的実践の結果は、展覧会や美術館を適応させ、あらゆる人が芸術体験をより身近なものにすることにも役立つ。

滞在中の活動
  • 目の見えない写真家と目の見える写真家のためのワークショップと、「触覚写真」の制作を行う。なお、その方法論は、手と目の対話を確立するため、技術企業、大学、目の不自由な方と緊密に協力し、10年以上にわたる研究と実践に基づいている。そして、これらのワークショップは、作品、プロトタイプ、芸術的研究課題、グループでの体験、そして時にはアクセシビリティ問題の耐久性のある解決策という成果として現れる。
  • ヨーロッパと日本の文化の違いをリサーチする。非視覚的な分野におけるこの対話こそが、このプロジェクトの主要な成果となる。なおこのリサーチはビジュアル・アート、特に写真の分野における、触覚的表現による協働・参加型のものである。
滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

ArteConTactoという名のもと、東京で「目の見えない写真家と目の見える写真家の協働・参加型リサーチ・プロジェクト」を紹介した。レジデンス期間中、4回の包括的な写真ワークショップを開催し、その成果をオープン・スタジオで発表した。ワークショップの方法論は、参加型リサーチ、3Dプリント、アートへのアクセシビリティに基づき、10年にわたって開発・改良されたものである。東京でのワークショップについては、目の不自由な写真家と目の見える写真家がペアを組んで、4つのワークショップで触覚的なレリーフを制作した。成果作品は、大内進氏(手と目でみる教材ライブラリー)や手嶋吉法氏(千葉工業大学教授)、尾崎大輔氏(写真家)といった、日本のその分野の専門家たちと共同で制作した。

滞在の成果

目の不自由な写真家と目の見える写真家の芸術的なコラボレーションは、ワークショップ参加者だけでなく、一般の美術関係者も「手でつかむ」ことができる触覚的なレリーフへと形を変えた。このワークショップ・プログラムは、鑑賞者としても制作者としても、伝統的に視覚芸術の場から排除されてきた人々を直接対象とした。こうして、コンテンポラリー・アートとの架け橋が築かれ、彼らを文化イベントに積極的に巻き込んでいる。これらの成果は、7月16日から23日までAssociation OTELOとHilfsgemeinschaft der Blinden und Sehschwachen Österreichs(オーストリア視覚障害者援助地域共同体)の協力のもとバート・ゴイゼルンのStephaneumで展示される。また、展示される日本での活動内容、特に文化的アイデンティティと多様性に関する考え方を振り返る場として、オーストリアの目の不自由な写真家と目の見える写真家によるワークショップも行われる予定。

クリエーター情報

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