キム・ウジン

レジデンス・プログラム

海外クリエーター招聘プログラム

更新日:2024.8.5

キム・ウジン

参加プログラム海外クリエーター招聘プログラム
活動拠点ソウル
滞在都市/滞在先東京 
滞在期間2024年1月 - 2024年3月
滞在目的

日本における少数言語と日本語政策の変遷について調査し、それに関する個人の記憶を収集する。 絶滅の危機に瀕している言語は、現在存在しているとはいえ、近い将来に存在するとは言い難く、幽霊のような段階にあると言える。文献調査やイメージ調査では、「幽霊 ゴースト」というキーワードで収集する。高齢化と都市志向の政策により、若者は都市に移り住み、遠く離れた田舎町や家屋はゴースト化していく。それはある言語が消えていくようなものだ。そのメタファーとしての物語やイメージを集めたい。デジタルの世界、情報の海が拡張するにつれ、デジタルにおける言語の消滅は深刻になっている。ほとんどの言語学者は、主要な言語でさえ、そのような事態から逃れられないと言う。言語とアジアの近未来を考えるために、そのことも研究していきたい。

滞在中の活動
  • アイヌ語のリサーチ
  • 沖縄方言を中心とした琉球語のリサーチ
  • 日本における消滅可能性都市のリサーチ
  • 日本の民話の収集/イメージの収集
  • オープン・スタジオ/展示
滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

アイヌ語とうちなーぐちを中心に、日本における消滅危惧言語について研究した。消滅の危機に瀕している言語は現存しているとはいえど、近い将来も存続するとは言い難い。「幽霊」の段階にあるといってもよい。TOKASでは、幽霊、舞台、雲をキーワードにプロジェクトを進めてきた。そのために、資料を読んだり、人に会ったりして、それらの言語を調査した。そして、東京、北海道、沖縄でアイヌ語やうちなーぐちに関する記憶を持つ人たちにアンケートをとり、インタビューを行った。

アイヌ語リサーチのためのインタビュー

アイヌ語リサーチのためのインタビュー

アイヌ文化のリサーチ資料

アイヌ文化リサーチ(フィールドワーク)の様子

アイヌ語のリサーチ資料

うちなーぐちのためのインタビュー

滞在の成果

短期計画としては、TOKASに滞在していた時に行った日本の少数言語に関するインタビューをもとに、3つの新しいビデオ・インスタレーション作品を制作する。成果展では、同じ形式で2つのビデオ・インスタレーション・シリーズを制作する予定である。また、「再構築」をキーワードにしたプロジェクトはさらにリサーチを進め、新たな作品に発展させるつもりである。日本で行ったプロジェクトは一時的なものではない。日本でのプロジェクトを土台に、インドネシアや東ティモールなどアジア各国への展開を目指している。アジア人の視点から現在のアジアを批判的に語れるような方向性をさらに研究していくつもりである。

オープンスタジオでのトークの様子

映像作品より

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