仲本拡史

レジデンス・プログラム

二都市間交流事業プログラム(派遣)

更新日:2024.3.27

仲本拡史

参加プログラム 二国間交流事業プログラム(派遣)
活動拠点日本
滞在都市/滞在先台北/トレジャーヒル・アーティスト・ヴィレッジ
滞在期間 2023年10月 - 2023年12月
滞在目的

台北の文化的な背景のある場所を訪れ、土地に根ざした催しに積極的に参加することで、映像記録を収集する。制作過程では、そこに住む人々、地域のコミュニティとの関わりを重視する。映像記録は、現代台北のポートレートとなるのみならず、フィルムカメラや小型のビデオカメラによって制作されてきた個人映画の歴史を踏まえたものとなる。台湾における個人映画の歴史を学び、作品制作に活かす。台湾の民話のリサーチを通じて、土地に根ざした考え方を身につける。

滞在中の活動
  • 國家電影及視聴文化中心(新北市)見学 
  • 黑潮海洋文教基金會(花蓮市)の活動見学
  • 大武山のリサーチと登山
  • 琉球郷のリサーチとスノーケリング
  • キュレーター、アーティストとのミーティング 
滞在中の活動

滞在中は以下の各項目についてリサーチを行った。
・台湾の民話
・台湾の動植物の生態
・アフリカマイマイに関する論文
・台湾の水道の歴史
・白色テロの歴史
・台湾先住民の歴史
・日本統治時代の歴史
・台湾の芸術祭
・台湾のビデオアート
・台湾の現代美術。

またリサーチとともに、作品制作のため以下の各場面で撮影を行った。
・カタツムリ料理を教わったトレジャーヒル住人で料理人の李健成氏へのインタビュー
・カタツムリ料理の取材で訪れた台東の「A-WOS蝸牛農場」
・台東の緑島にて島内と海中
・高雄、小琉球にて島内と海中
・花連にてイルカ船乗船時
・台北にて陽明山登山時

滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

今回の台北滞在では、トレジャーヒル・アーティスト・ヴィレッジに住むカタツムリを通して、自身が幼少期を過ごしたミャンマーでの思い出と台湾のカタツムリの歴史を繋ぐ映像作品と、カタツムリが食べて穴を開けた地図を制作した。また、展示のオープニングパーティーでは、トレジャーヒル住人で料理人の李健成氏に習ったカタツムリ料理を観客に振る舞った。
台湾滞在と作品制作のためのリサーチを通して、自身のルーツである沖縄を再発見し、今後の作品のアイディアを練ることができた――台湾と沖縄はどちらも琉球と呼ばれていた。自身の曽祖父はかつて、船で沖縄からインドネシアを通り、フィリピンへ渡って出稼ぎをしていた。曽祖父の旅と、人の手によってその分布を広げてきたカタツムリやティラピア、ジャンボタニシなどの外来種の軌跡を繋げ、環太平洋の島々を渡るような映画を制作してみたい。
滞在を通じ、台湾各地の「原住民文化会館」で、オーストロネシア語族や、環太平洋の文化圏についての知見を得られたほか、台湾先住民出身の現代美術作家を知ることができた。また基隆での取材や、現地で教わった様々な情報をもとに、台湾と沖縄のつながりについて学ぶことができた。

パフォーマンス《吃蝸牛派對/Snail Eating Party》
©Treasure Hill Artist Village

パフォーマンス《吃蝸牛派對/Snail Eating Party》
©Treasure Hill Artist Village

《唱歌的蝸牛/Singing Snail》2023年、映像
©Hirofumi Nakamoto

《好吃的地圖/Delicious Paper》2023年
©Hirofumi Nakamoto

THAVレジデンス成果展「Us verse Nature」展示風景
©Treasure Hill Artist Village

THAVレジデンス成果展「Us verse Nature」展示風景
©Treasure Hill Artist Village

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