更新日:2024.3.26
参加プログラム | 二国間交流事業プログラム(招聘) |
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活動拠点 | ロサンゼルス |
滞在都市/滞在先 | 東京 |
滞在期間 | 2023年9月 - 2023年11月 |
*マイケル・ヘンリー・ヘイデンの滞在はCall to Dream: The Sam Francis Fellowshipを通じた18th Street Arts CenterとTOKASとのレジデンス・パートナーシップにより実現しました。
東京での三か月間、制作中の作品の進行、新しい作品の構想において貴重な時間になるよう活動に注力する。日本の現代美術と伝統的な美術における芸術と自然の結節点をリサーチする。都市と田舎の環境を探索し、新しい作品に組み込むための素材として、風景、建築、または自然物から直接かたどったシリコーンゴムの鋳型を制作できればと考えている。
新作の制作、将来の作品の構想、インスピレーションを得るための旅に集中して取り組んだ。
日本の風景画を彷彿とさせる南日本原産の円錐形の貝殻をモチーフに、大きな絵をキャンバスに描いた。また大きなシリコンゴムでスタジオに隣接する壁面の型を取り、それをロサンゼルスのスタジオで新しいレリーフ彫刻に取り入れる予定である。他にも、日本の伝統的な和紙を集めた。これらの紙は、自然界にあるフォルム、そして東京の碁盤の目状に整備された都市と建築、両者に対する自身の興味を反映させたコラージュ作品に活用した。ロサンゼルスでもこれらの和紙を使った制作を続け、日本での経験にインスパイアされた新しい作品を制作することを楽しみにしている。
九州と沖縄の最南端の島々を数週間かけて旅した。自然界と自然の文化的表象との対照をテーマに作品制作に取り組んでいるため、文化的な空間と同等に、自然の場所に身を置くことも重要である。阿蘇山や桜島のような活火山のある自然景観や、西表島の手つかずの森を訪れた。西表島では、TOKASで描いた絵のインスピレーションとなった貝のほか、そこを原産地とする多くの貝を発見した。
現在、描かれたイメージと彫刻的なレリーフの間における対話を調和させた新しい作品群を制作している。このレジデンスで、以前から実践に取り入れたいと熱望していたペインティングに集中できる時間が長く取れたことに感謝している。TOKASで新しい作品の制作を始めたことに加え、日本で目にしたアートや風景は、ロサンゼルスで継続する新しい作品のインスピレーションとなるであろう。
最も印象に残っているのは、鹿児島と東京でそれぞれ開催された菊まつりである。これらの展示では、それぞれ花がなり得る極限的な特徴を持つよう生育された花々が紹介されていた。一例を挙げると、完全に丸い山の形に生育され、咲き誇る花々が完璧な格子状に点在する一株。この何世紀も続く伝統は、自然と高度な芸術性を融合させたものであり、深い感銘を受けた。