アヨス・プルウォアジ

レジデンス・プログラム

キュレーター招聘プログラム

更新日:2024.4.4

アヨス・プルウォアジ

参加プログラムキュレーター招聘プログラム
活動拠点ジェンベル(インドネシア)
滞在都市/滞在先東京
滞在期間2023年6月 - 2023年7月
滞在目的

TOKASでの短期滞在を通して、現代における記憶の継承の形態や、変化し続ける社会で過去の記憶がどのように社会的関係を構築することができるのかについて深く理解し、特定のコミュニティーにおけるヴァナキュラー・アーカイビング(その土地に根付いた固有の収集/保存)の実践と集合的記憶に関するリサーチを発展させたい。

滞在中の活動
  • 東京近郊で物語/個人史の収集。
  • 遺産・継承・記憶に関するインタビューの実施。
  • 東京近郊の現代モニュメント/郷土博物館を訪問。
  • 同じような関心を持つ日本のアーティストとの会合。
滞在中に行ったリサーチ活動

1ヶ月間のレジデンスにおいて、墨田区と東京エリアに点在する様々な「モニュメント」を調査する機会を得た。この期間中、「モニュメント」を綿密にカタログ化し、このリストに含まれていない「モニュメント」もまだたくさんあるはずであるが、約200件を収録した。自身のリサーチ活動の中心は、「モニュメント」、「集合的記憶」、そしてある社会における社会政治的変化の力学を検証するための極めて重要なレンズとしての「遺産化」の複雑なプロセスである。今回行った短期間の予備リサーチの中で、東京におけるモニュメントの設立と、都市の景観とそこに住む人々の集合的記憶に大きな影響を及ぼした1970年代と1980年代の経済的変容との間にある複雑な関連性を確立しようと試みた。さらに、「モニュメント」と「記憶」を包括するテーマを掘り下げた日本のアーティストたちの作品群と、私の研究を関連づけることを模索した。

滞在の成果

予備リサーチの過程で、1970年代から1980年代にかけての東京の急速な都市開発とモニュメントの建設との間に関連性を見いだすいくつかの初期の発見があった。私は、これらの有望な予備的発見をさらに洗練させ、将来、研究プロジェクトを拡張して、その基礎にしたいと考えている。今後の研究は、都市景観の文脈内において、社会的認識とモニュメントの本質的意義との間に内在する緊張関係をより深く掘り下げることを目的としている。
さらに、この研究の範囲を超えて、私は新たなネットワークを育むことができた。
調査中、さまざまな人からたくさんのフィードバックやアイデアをもらった。また、滞在期間中、アーティスト、キュレーター、学者、作家、学生、地域の人々との新たな関係やつながりを築く機会にも恵まれた。

隅田川の近く浅草御蔵跡の碑。なぜ過去の米蔵を今も記憶する価値があるのだろう。

台東区の小さな曲がり角にある戦禍を被った電柱。このモニュメントは自身が東京のモニュメントを調査する出発点となった。

墨田区町会・自治会の副会長。近所で行われた祭りの写真を見せてくれた。お祝いや行事は、コミュニティの集合的な記憶を呼び起こしたり、保存したりすることができる。

岩本町駅周辺に手付かずのまま残されたモニュメント。

クリエーター情報

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