大野由美子

レジデンス・プログラム

二都市間交流事業プログラム(派遣)

更新日:2024.2.20

大野由美子

参加プログラム二国間交流事業プログラム(派遣)
活動拠点兵庫県西宮市
滞在都市/滞在先エディンバラ/エディンバラ・スカルプチャー・ワークショップ
滞在期間2023年4月 - 2023年6月
滞在目的

エディンバラスカルプチャーワークショップでのプログラムでは、彫刻に特化したレジデンスという特徴を活かし、近年始めたサイズ可変の作品の可能性を探りたいと思っています。構造、素材、型の成形方法、組み立て方法などを検討し、将来的には建築のスケールにも発展できるような作品制作を考えています。尚、私は継続的にブルータリズム建築についてリサーチをしていますが、ブルータリズムの発祥地の英国でのリサーチによりブルータリズム建築について更に理解を深めたいと思っています。

滞在中の活動
  • エディンバラ市内のブルータリズム建築のリサーチを行う。(建築関係の図書館なども巡る予定)
  • 建築関係、構造関係の人物と構造について話し、高さのある大きな構造物を多数のオブジェを組み合わせることで作る方法についてリサーチを行う。
  • 型の素材、型の形状、そして型取りをするオブジェの素材について様々なエキスパートとコニュニケーションを取りながら考える。
  • 実際に型を作り、型取りをしてある程度の個数を作って組み立ててみてそれがどの程度のサイズまで大きくできるか検証をする。
  • 何種類かのプロトタイプを作り、そこから1つもしくは複数を量産し、できる限り大きく組み立ててみる。
滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

エディンバラ市内のブルータリズム建築のリサーチを行った。およそ30ヶ所の建築物を訪れ、エディンバラ大学の図書館などでエディンバラ市内に実存するブルータリズム建築の資料を収集した。そしてレジデンス敷地内の中庭を使用して2つの大型作品を制作した。木材と1000枚のタイル状のセラミックでできており、同じ素材を用いて形を変化させることができる実験的な作品をつくった。4月にはオープンスタジオに参加し、5月には計4回に渡り地元の小学生にワークショップを行い、6月には中庭の2作品をパブリックに鑑賞してもらうため、「Yumiko Ono: Courtyard Event」としてイベントを行った。

《Composition I》2023年、木、陶、ワイヤー、W485x L485x H300 (cm)
Photo by Ross Fraser McLean/StudioRoRo

《Composition I》2023年、木、陶、ワイヤー、W485x L485x H300 (cm)
Photo by Ross Fraser McLean/StudioRoRo

《Composition I》&《Composition Ⅱ》2023年、木、陶、ワイヤー
Photo by Ross Fraser McLean/StudioRoRo

《Composition Ⅱ》2023年、木、陶、ワイヤー
W440x L417x H439 (cm)
Photo by Ross Fraser McLean/StudioRoRo

《Composition Ⅱ》2023年、木、陶、ワイヤー
W440x L417x H439 (cm)
Photo by Ross Fraser McLean/StudioRoRo

《Composition Ⅱ》2023年、木、陶、ワイヤー
W440x L417x H439 (cm)
Photo by Ross Fraser McLean/StudioRoRo

滞在の成果

木材で大きな作品を作った経験がなかったことと、組み立て式の作品では最大のサイズに挑戦できたのでとてもいい経験となった。木という素材は今後陶芸と合わせて可能性をさらに探っていきたいと思う。大型作品になると小さいサイズでは存在しなかった問題が出てきたので今後大型作品を作る時はもっと段取り良くしたい。今後はこの経験を活かして更に大きなサイズの作品に挑戦していきたい。 スタッフを含めレジデンス内で知り合った方皆さんに本当によくしてもらい、今までのレジデンス経験の中でも人との繋がりという点で特別なレジデンスとなった。今までで最大級の作品だったにも関わらず捨てるものが一切生まれなかったということも良かった。周りの人達との関係で材料もリサイクルができ、その過程で新しいアイデアも生まれたので素晴らしかった。


大野由美子《Composition I & II》2023年

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