パーサ・カメコシュ

レジデンス・プログラム

二都市間交流事業プログラム(招聘)

更新日:2022.9.7

パーサ・カメコシュ

参加プログラム二国間交流事業プログラム(招聘)
活動拠点ヘルシンキ
滞在都市東京
滞在期間2022年9月 - 11月
滞在目的

日本のものづくりの哲学と倫理観の文脈で、また芸術的実践としてのパフォーマンスとの関係性で、プロセス/プロセッシングという概念を探究することだ。それは一方で工芸の伝統における空間、身体、材料、時間の要素を注意深く観察し、他方で、日本の仕事場で行われる実践の超自然的な次元に達する試みである。最終的にはこれらの発見が現在取り組んでいる一連のパフォーマンスにどのような影響を与え、芸術活動に別の次元でどのように表出しうるかをみたい。

滞在プラン
  • 作業計画に基づいたコンセプトの検討
  • 東京のアーティスト、工芸家、美術館、施設などの訪問とリサーチ
  • 将来のコラボレーションのためのコンタクトを確立する
  • 現在進行中のパフォーマンス・プロジェクトを継続する
  • アイディアのいくつかを東京の街でライブ上演する
滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

大まかな計画を立てた上で、この旅で何が起きても受け止めて、柔軟に対応できるように努めた。また、今回が初めての日本ということで、事前に抱いていた日本のイメージがどれだけ現実と一致するかということにも興味があった。私はまず、日本の伝統工芸における空間、身体、素材、時間の要素に注目し、観察を行った。この過程で、いくつかの気づき(例えば、日本の美学における影の特別な美的価値や、東京における匂いの存在感の大きさなど)に出会い、最終的にオープンスタジオで発表した作品に結びつけることができた。また、日本滞在中は、現在進行中の2つのプロジェクトの発展にも取り組んだ。

近隣の木工スタジオTREE'S CAMPでの打合せの様子

近隣の木工スタジオTREE'S CAMPでの打合せの様子

滞在の成果

約40日間の観察の結果、来日前の当初の計画内容と日本での観察との間に共通項を見出すことができた。滞在中に完成した持続的パフォーマンス作品は、特に日本的な作品であると考える。つまり、もしこの滞在がなかったら、私はこの作品を作ることができなかったかもしれない。作品のタイトルは《近所で木片に石をこすりつける》である。この経験は、工芸的なプロセスを通じて人生の自然な次元と超自然的な次元を結びつけることに焦点を当てた、新しい持続的パフォーマンスのシリーズへの足がかりとなった。また、滞在中は、複数のギャラリーやアートスペースを訪れ、ギャラリストやキュレーターに会い、将来のコラボレーションに向けて東京のアートシーンに慣れ親しむことができた。

オープン・スタジオでのブース

TOKASレジデンシー近郊の建物の隙間を使いパフォーマンスを行った

一週間毎日、日没時に1時間パフォーマンスを行った

パフォーマンスの様子

クリエーター情報

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