ソフィア・ドリュー

レジデンス・プログラム

二国間交流事業プログラム(招聘)

更新日:2022.5.20

ソフィア・ドリュー

参加プログラム二国間交流事業プログラム(招聘)
活動拠点バーゼル
滞在都市東京
滞在期間 2022年5月 - 2022年7月
滞在目的

私が東京で展開したいプロジェクトは、可視と不可視という概念をリサーチし実験することで、何が価値があり、重要であると考えられているか、それがどのように私たちの評価に反映されているかを明らかにすることです。これは、既存の質や状況、役割や機能に備わっている潜在的な曖昧さや両義性に関連する、私の制作活動における主要な問いとつながります。目的は、高度に構造化・体系化された日本文化に刻まれた「可視-不可視」の性質をリサーチし、実験することに焦点を当てることをです。私は、伝統的な能と歌舞伎、より具体的には黒子の姿に、可視と不可視、中心と周縁、そして価値と重要性との関係を見出し、それが私たちの受け取り方と行為にどのように影響を与え、ひいては私たちがリアリティを機能的に構築する上でどのような役割を果たしているかを観察し、探求していきます。

滞在中の活動
  • 能や歌舞伎の鑑賞
  • 黒子の舞台上での役割や、舞台の構造や構成要素の研究 
  • 1人または複数の黒子にインタビューをし、ビデオ撮影を行う
  • 衣装デザイン、舞台デザイン、または面を被って演じる役者とコンタクトを取り、可能であればインタビューを行う
  • 関係者とコネクションを作り、「新しい(altered)」能を制作するための場所を探す
滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

東京での私のプロジェクトは、不可視が果たす役割について、何が重要視され、何が可視として表現されるのか、また、日本の伝統芸能である能、歌舞伎、文楽といった高度に構造化・体系化された中でのその役割について取り上げ、黒子、後見、能面に焦点を当てた。 TOKASのレジデンス期間中、様々な公演に参加し、その構造を研究し、専門家、通訳、演者へのインタビューを行い、具体的な技術を学んだ。また、将来的な協力者に出会い、プロジェクトの第2ステージの基盤を固めた。

滞在の成果

私は非常に興味深く刺激的な人脈を築くことができ、自分の調査対象について学び、理解を深めることができた。 同時に、このような豊かで複雑な異文化に触れ、それに伴う大量の新しい情報を何らかの形で代謝し、同時にリサーチを行うのに適切な人々と道筋を見つけ、リサーチ対象のコンセプトを深く理解し、結果を出すには3ヶ月は短すぎると実感している。 将来的には、「altered Noh Play」を行いたいと考えている。衣装デザイン、音楽、照明、舞台美術など、さまざまな表現方法を駆使し、コラボレーションが重要な役割を果たす、大規模な舞台プロジェクトになる予定だ。
もっと会場や美術館に行きたかったし、地元のアーティストに会う時間もほしかった。

《オープンスタジオ展示風景》2022

《稽古風景》2022

《マスク製作工程》 2022
未完成品、日本杉

《仮面アンサンブル》2022

《黒子カウンタースーツ》2022
、ウェアラブルピース 透明布、サイズ可変

《カタガミのマスク》2022 
エアドライ粘土、22 x 17 x 8 cm 

《後見目面のための面,》2022
水粘土、22 x 15 x 6 cm

《後見虚面のための面》2022 
水粘土、20 x 12 x 5 cm

《Resonant work》2022
ウェアラブルピース、合成ヒモ、鈴、 22 x 1 x 1 cm

クリエーター情報

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