石塚まこ

レジデンス・プログラム

二国間交流事業プログラム(派遣)

石塚まこ

ベルリン
参加プログラム二国間交流事業プログラム(派遣)
活動拠点日本/スウェーデン
滞在都市/滞在先
ウィーン/クンストハレ・エクスナーガッセ
滞在期間
2019年4月 - 2019年6月
滞在目的

動く人々の生活にある言語と文化の越境にまつわるプロジェクトの展開において、『追熟と訛り:所作の敷衍』と題し、反射的で言葉に頼らない伝達のかたちとして、そして文化や道徳、精神性を反映するものとしての社会的所作に注目。注視の対象から逃れ、社会状況や思想に静かに介入する糸口としての社会的行動、所作とその伝播について研究。伝える行為において身体性・声性を深く意識している人々と対話し、思い描く社会に導くための「遅効性解毒・起爆剤」のような日常的な社会的所作の考案、実践を試みる。

滞在中の活動(計画)

日常の公共空間で複数の他人が行き交う場所、人が対面する場面を観察。
伝達において身体性や声性を深く意識している人々の活動を鑑賞・考察し、彼らと積極的に交流。
上記経験を反芻し、介入したい社会状況や反応したい所作を抽出。それらの自分なりの解釈を検討し、その返答を「自前の語法」の身体的表現への翻訳を試行。
枠に囚われず直感や偶然を重視し、また他者と共有・討論し、顕在化する所作の誤解や「同音異義語」を掬いながら進展。
上記過程を映像や他メディアで記録・編集。「思い描く社会へ導くための新しい社会的所作」の提案として、その所作を協力者らと共に実践。 

滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

動く人々の生活にある言語と文化の越境にまつわるプロジェクトの展開において、ウィーンでは思い描く社会に導くための遅効性解毒剤のような社会的所作とはという問いのもと、指揮者や舞踏家、礼儀作法指導者、手話者らとの対話や、討論と社会実験の場としての夕食会、書くという行為 で「向こう側」を想像するワークショップなどを 通して 、 現地で出会った対話者たちと共に 言葉と身振りによるさまざまな駆引きと翻訳 の試行を重ねた 。

滞在の成果、反省点、今後の活動の展望

滞在中さまざまな人々と対話して 、「理想的な未来に導く遅効性 解毒 剤としてのジェスチャー」とは何かを問い、探求してゆく過程の中で、それ自体を見つけることではなく、違う視点から一緒に問い、 試してみること、ひとつの答えを見つけるよりもそこに辿り着くまでにさまざまな 広がりが生まれることの重要性に気づき、 その過程を出会う人々と直接、実体験を持って共有し、持続して展開する活動 を行なえた。また、スウェーデンで始まったプロジェクトをウィーンで発展させるBoustrophedon から Duet of Lines へという試みを行なうことで、偶然にもプロジェクトの追熟というかたちになり、「場」「文脈」を変えたリレイがもたらす詩性によって、論理と概念に有機性を与えることができたと感じている。 ネットワーク構築の壁もあり、プロジェクトにおける「対話者」の層が年齢および分野の面で思っていたよりも広がりをもたすことができなかったことは、限られた期間内とはいえプロジェクトの深度よりも進度を考慮したと言わざるを得ず、心に残っている。 凝り固まっている考えが決して社会の「多数者」や「保守」だけのものでないことに改めて気づかされ 、ウィーンで出会った 境界をまたぐ者、「向こう側」とやりとりする者に 見られた 柔軟性、聴く力、慮る力 、そして相手を見ることで 自己 をも見つめる姿勢を今後のプロジェクトの展開の中で意識したいと感じた 。

《Duet of Lines (Side by Side) 線の対話》ワークショップ + サイト・スペシフィック・インスタレーション (ガラスに顔料マーカー、ステレオスピーカーで録音再生 )、2019

《Duet of Lines (Side by Side) 線の対話》ワークショップ + サイト・スペシフィック・インスタレーション (ガラスに顔料マーカー、ステレオスピーカーで録音再生 )、2019

《Duet of Lines (Side by Side) 線の対話》ワークショップ + サイト・スペシフィック・インスタレーション (ガラスに顔料マーカー、ステレオスピーカーで録音再生 )、2019

《追熟と訛り:所作の敷衍》プロジェクト
クンストハレ・エクスナーガッセ(ウィーン)でのパブリック・プレゼンテーション展示の様子( Contact Improvisation のミニワークショップ)、2019

《追熟と訛り:所作の敷衍》プロジェクト
クンストハレ・エクスナーガッセ(ウィーン)でのパブリック・プレゼンテーション展示の様子( Contact Improvisation のミニワークショップ)、2019

《追熟と訛り:所作の敷衍》プロジェクト
クンストハレ・エクスナーガッセ(ウィーン)でのパブリック・プレゼンテーション/展示の様子(窓に展開したプロジェクトにまつわる思考の地図、ウィーンで種から育てた外来植物)、2019

クリエーター情報

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