レジデンス・プログラム
二都市間交流事業プログラム(派遣)
更新日:2019.11.26
佐々木加奈子
参加プログラム | 二国間交流事業プログラム(派遣) |
活動拠点 | 日本 |
滞在都市 | パリ |
滞在期間
| 2010年1月 - 2010年3月 |
滞在目的
パッサージュプロジェクト
過去と現在が共生するスペース、パリのアーケード通路をモチーフとし、地元の女性を対象に、交流を交えながら、写真、ビデオの制作。変化を遂げる文化都市パリ、時間、歴史、記憶などを甦させる浮遊感のある作品を作りたい。
滞在中の活動
2008年度 二国間交流事業(ソウル)派遣
Exchange Residency Program Annual Debriefi ng Session 2008
地元の方々のお話を聞きながら、物語りの断片を組み立ててゆく。それぞれの記憶を引き出すプロセスが失われた時を呼び戻す切っ掛けとして提供できればと思う。パリ市の歴史と現在、ベンヤミンのパッサージ論のリサーチも平行して行なう。
滞在制作成果
1)自己評価、感想、今後の活動
104の巨大アトリエでの制作は贅沢で貴重な制作期間でした。技術チームと一眼となって、セットを組み、映像を組み立てて行くプロセスは個々レベルの文化交流となった(フランスのお国柄、社会の中の芸術の位置など)。同レジデンスアーティスト同志の交流頻繁もあり、現代アーティストとしての情報交換や哲学、社会的な内容についても意見交換が出来た。
自己評価は、現地の年配の方々のネットワークを広げ20人ほどの撮影(写真、映像)ができたので、とても満足している。ただ、映像編集までの時間が限られてしまったので、仕上がりがおろそかになってしまった。最も、映像インスタレーションとしてのサンプルを作るのを目的としていたので、このサンプルを基に、今後、再撮影、編集を重ねて、バーションを高めて今後制作を進めてたいと思う。ベンヤミンのパッサージュ論を研究しているが、フランス人からみたパッサージュ論を肌で感じる事が出来た。つくづく、文学や哲学が日常生活に深く根付いている文化だと感心した。その他、パリで活動するアーティストやキュレーターとも作品を見せ合う機会があり、直ぐにとはいかないが、今後、何かの切っ掛けでつながれば良いと思う。
2)出会い
ル・フレノア国立現代芸術スタジオ(リール)出身のパリで活躍するアーティストを地元の友達に数人紹介して頂いた。パリではやはりフレノアはアーティストとしての登竜門になっていると実感。その関係で、パリ在住のアート評論家にも作品を見せるチャンスがあった。104内では、それほど積極的に専門家を呼んで討論できる環境が一切なかったので、こういった個人のつながりを大切にした。
今後パリでの経験活かし、映像の編集、撮影セットの実験を繰り返し、完成度の高い映像作品を制作して行きたい。テクノロジー、科学、哲学、などの分野をもっと取り入れたいと思う。
交流事業成果
104で交流のイベントが2度行なわれた。一つは同じく東京ワンダーサイト滞在のフランス人映像アーティスト、ニコラ・ルリーヴルと公開スカイプディスカションが行なわれた。本事業がどのように行なわれ、各自(東京ーパリ)でどのような形で制作しているかを報告した。会場からの質問等にも答えた。2つ目は、最週末に行なわれた公開成果発表展示。映像インスタレーションを発表した。参加者を含め、地域の方々170人ほど足を運んでくれた。プロジェクト自体、人々の参加で成り立つものだったの彼らが喜んでいる姿を見て嬉しかった。その他、パリは日本ブームだったので、日常生活で日本文化について色々と聞かれた(映画、文学などについて)
クリエーター情報