村上華子

レジデンス・プログラム

国内クリエーター制作交流プログラム

更新日:2019.11.29


村上華子

参加プログラム 国内クリエーター制作交流プログラム
活動拠点日本
滞在期間
2009年5月 - 2010年3月
滞在目的

架空の人物の展覧会をつくる、という形で作品をつくっています。
展覧会自体が架空の物語の器となるような手法を模索したいと考えています。

滞在中の活動

OPEN STUDIO 2009 2009年度 レジデンス成果発表展覧会「TOKYO STORY」 協働スタジオプログラム 4「 アートと環境との対話」 「 No Man's Land」 展( 旧フランス大使館、東京) 青山コモンズ「 本当のウソをつく─山のおばけを描こう編」

[ 活動報告 ]
■9月~12月
滞在中の活動報告
レジデンス滞在中は、自分の制作活動に取り組みつつ、同じレジデンスに滞在している他のアーティストから多くのものを吸収しようと努めました。滞在を通じて、同じレジデンスに滞在するアーティストとの交流の中から、自分の制作に対して率直な意見をもらえたりすることがたいへん励みになっています。他のアーティストと共に展覧会へ行ったり能を観にいくなどする機会にも恵まれました。また、レジデンスがワンダーサイトのオフィスのすぐ近くにあることで、制作活動にかんして、スタッフの方と相談できたのがよかったと思います。

成果発表(展覧会・コンサートなど)の報告
7〜9月にかけて、大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ2009に参加しました。8月には、みなとメディアミュージアム、というメディアートのイベントに出展しました。また、10月には青山コモンズにて子どもを対象としたワークショップを行いました。12月にはフランス大使館の解体プロジェクト「ノーマンズランド」の一環として行われた展示に参加しました。12月下旬には目黒のテルメギャラリーにて「神様の家」という展覧会をおこなう予定です。

■5月~8月
トーキョーワンダーサイト青山に住み始めて半年、非常に恵まれた環境のなかで活動に取り組むことができました。
ここ半年はおもに、大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレでの舞台作品「キンシーズ!」の準備をしていました。現地での準備のため新潟と東京を何回か往復するあいだ、進行中のプロジェクトをワンダーサイトで見せる機会をいただいたことで、距離をもって自分の作品を見たり、来場者や他のアーティストの意見に耳を傾けたりすることができたように思います。
今回発表した作品は舞台で上演する形式のもので、かつて越後妻有で踊られていたにも関わらず現在は忘れられてしまった「キノコ踊り」を、地元ダンサーと、現在一線で活躍するコンテンポラリーダンサーと一緒に現代に蘇らせる、というコンセプトから出発したイベントでした。名前のわからないキノコを埋めて祀ったキノコ塚の周りで踊られた「キノコ踊り」の伝説を書いて、私はそれをトリエンナーレが行われる地域へ持っていきました。「伝説」によれば今でもキノコおばけを見ることができるらしい、地元の子どもたちに聞きに行ってみたところ、意外にも「見た見た」と言っていろんなキノコおばけを描いてくれました。チラシに使われているのはそのときに子どもたちが描いたものです。





この「キノコ伝説」、そして絵に描かれたキノコおばけの絵を参考にしつつ、新たなきのこダンスを里山に幻出させることはできないか、と無理難題を承知でコンテンポラリーダンサーで振付家の森下真樹さんに振付をお願いし、また、妻有踊り隊「華焔」のみなさまに出演をお願いして、何度かワークショップを重ねました。
この企画において、私の役目は彼女たちを「出会わせる」ところまでで、あとの内容については森下真樹さんと「華焔」の皆様に多くの部分をお任せしていました。私がしたことは、最初に書いたきのこ踊りの「伝説」を語り、それを実現することに向けての実際的なことを調整することでした。この作品の作り方、物語のコンセプト、は私が考えたものでしたが、肝心の内容はワークショップをしていく中で徐々にできていきました。






公演後は、成果報告という形でワンダーサイトにて映像をみせました。勝手に伝説をつくり、勝手に具現化する、という試みにどれほど理解が得られるか心もとなく思っていましたが、思いのほか普通に受け入れられたように感じました。今後の半年は東京に居るので、他のレジデンシーとも交流しつつ、いろんな話を書いて具現化していきたいと考えています。   [ 2009.9月 ]

クリエーター情報

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