第5回展覧会企画公募 「floating view "郊外"からうまれるアート」

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第5回展覧会企画公募 「floating view "郊外"からうまれるアート」

Emerging Artist Support Program 2010

エキジビジョン

開催情報

タイトル第5回展覧会企画公募 「floating view "郊外"からうまれるアート」
Emerging Artist Support Program 2010
会 期2011年0月26日(土) - 2011年3月27日(日)
時 間 11:00 - 19:00
入場料無料
主 催公益財団法人東京都歴史文化財団 トーキョーワンダーサイト
協 賛株式会社シアーズ
協 力学生メディアセンターなないろちゃんねる
会 場トーキョーワンダーサイト本郷
アーティスト佐々木友輔、石塚つばさ、笹川治子、遠藤祐輔、川部良太、ni_ka、田代未来子、清野仁美、渡邉大輔、藤田直哉
企画者佐々木友輔
スタッフ中山亜美(Art Manager)、坂田希究(Designer)

このたびTWS本郷では、2010年度「Emerging Artist Support Program 展覧会企画公募」における入選者による企画展を開催いたします。 企画者(キュレーター)を志し活動している若手実力者への支援・育成を目的とした展覧会企画そのものを公募するプログラムです。 これまでに実施した公募のなかでは、企画者(キュレーター)からの応募に加え、アーティスト自身による(本人を含む)グループ展の企画も多く寄せられ、なかでもアーティスト自身によるセルフプロデュース企画内容の多くは、既成のジャンルに分類できない新しいアートを試みるものが多く見られました。 5回目となる2010年度は、会田 誠氏(美術家)、鈴木芳雄氏(エディトリアル・コーディネーター)、片岡真実氏(森美術館チーフ・キュレーター)、家村佳代子(TWSプログラム・ディレクター)、北澤ひろみ(TWSキュレーター)の5名が審査員を務めました。将来キュレーターをめざし活動する方、またはセルフプロデュースによる企画を考えているアーティストの方からのなど、自薦・他薦を問わず新しい発想とエネルギーに満ちた44企画の応募数から3企画が選出されました。

選出企画
  • ELASTIC VIDEO - curated by PLINQUE
    企画者: クラウディア・ラルヒャー
  • floating view "郊外"からうまれるアート  
    企画者: 佐々木友輔
  • Girlfriends Forever!
    企画者: 松井えり菜・村上華子

企画概要

ロードサイドに建設されたショッピングモールやファミリーレストラン、立ち並ぶ団地、真新しい一戸建ての家々。日本中至る所で見ることの出来るこうした郊外の風景は、景観の破壊や故郷喪失、地域共同体の欠如など、これまで多くの批判に曝されてきました。しかし今では東京などの大都市でも、郊外都市と見紛うような風景に出くわすことが珍しくありません。グローバリゼーションの進行によって、世界全体が郊外的な環境に覆われようとしています。郊外の問題は誰にとっても切実なものとなりつつあるのです。 本展は、郊外的環境から生まれたアーティスト、そして郊外的環境を自らの手で改変・更新していこうとするアーティストを取り上げた展覧会です。技術革新に任せた楽観論で盲目的に突き進むのでもなければ、戻ることの出来ない過去を礼賛する懐古主義に陥ってしまうのでもない、郊外的環境に生きる私たちの新たな生の在り方を模索するかつてない試みです。

笹川治子 《うつろ戦士》 2009 インスタレーション風景、東京藝術大学大学美術館取手館、茨城

石塚つばさ 《mother》 2008 井野団地でのインスタレーション風景、茨城

告知

ARCUS内ロッカールームで上映会があります!
好評開催中の第5回展覧会企画公募「floating view」企画者の佐々木友輔さんが監督した「新景カサネガフチ」が、ARCUS内ロッカールームでも上映されます。本展出品者でもある石塚つばささんが主演です。
※石塚つばささんはARCUSのある守谷市出身。今回のfloating viewで展示されている彼女の作品は、ARCUSのオープンスタジオで公開制作していた作品です。 入場無料。

3月23日(水)17:00- [上映時間・67分] アーカス・スタジオ(外部リンク)

AR詩

スマートフォンをお持ちの方は、TWS本郷への最寄り駅(水道橋駅/御茶ノ水駅)に到着したら、ARアプリケーション「セカイカメラ」を起動して景色を眺めてみてください。 アーティストni_kaによるAR空間上で体験する「詩」を鑑賞することが出来ます。
(外部リンク:「セカイカメラ」ウェブサイト

映画上映

タイムテーブル

11:00|ここにいることの記憶
11:30|ある映画史
12:00|そこにあるあいだ
13:30|新景カサネガフチ
15:00|ここにいることの記憶
15:30|ある映画史
16:00|そこにあるあいだ
17:30|新景カサネガフチ
※ループ上映のため、上映時間が多少ずれる可能性があります。

上映作品概要
  • ここにいることの記憶|川部良太 (28分/2007)
    1997 年5月、事件が起きたのはある風の強い土曜日だった。希望ヶ丘という名の団地に住む12歳の少年が、友達と遊びに行くと言って家を出たままこつ然と姿を消 した。それから10年が過ぎた現在、少年の行方は依然として不明のまま、団地は老朽化のために取り壊しが決まった。10年前の、少年が行方不明になった日 の「証言」が、団地の住人たちによって朗読される。それは失われてゆく風景の中で、存在しない架空の少年の記憶を辿ること。

  • そこにあるあいだ| 川部良太 (87分/2009)
    これはある二組の兄弟についての二つの映画。夏の終わり、東京で二人暮らしをしている一組の兄弟が、母親の再婚の結婚式に出席するため実家のある山梨へと車 を走らせている。と同時に、冬の初め、12年間離ればなれに暮らしていた一組の兄弟が、祖母の入院をキッカケにかつて家族で住んでいた東京の家で再会す る。一組の実際の兄弟によって演じられる二つの物語は、どこまでもパラレルでありながら、どちらでもない場所にふと映画が立ち上がる。

  • 新景カサネガフチ|佐々木友輔 (ビデオ/67分/2010)
    2011 年、関東鉄道常総線に新しい駅ができて、その土地の名前も「ゆめみ野」に変わった。ゆめみ野の誕生と時を同じくして結婚し、街のめまぐるしい変化に寄り 添って暮らしてきた一組の夫婦は、ある出来事をきっかけにして、街の歴史と夫婦の時間を、交差させ、かさね合わせるようにしながら追憶していく。そこに浮 かび上がってくるのは、いつか夢に見た景色――累(かさね)伝説発祥の地、累ヶ淵。朗読と映像が絡み合う、新しい風景映画。

  • ある映画史|佐々木友輔 (ビデオ(短編集)/30分/2006-2011)
    音 楽家の田中文久との共同制作。19世紀後半から今日までの映画史を、現代日本の風景を舞台にしてリメイクするプロジェクト。毎回、ひとりの映画監督・映像 作家を取り上げ、その人物の作品の名場面や特徴的な演出・視覚効果などを再現した短編作品を制作する。取り扱うジャンルは幅広く、実験映画から商業映画、 舞台記録やアートフィルムまで、「映像」と名のつくものならどんなものでも対象になる。
展覧会特別ウェブサイト
http://qspds996.com/floating_view/

企画者プロフィール/Organizer's Profile

佐々木友輔 Yusuke Sasaki

1985年兵庫県生まれ。映像作家、企画者。高校時代に制作した映画「手紙」でイメージフォーラムフェスティバル2003一般公募部門大賞受賞。その後は映像表現を中心に、アートプロジェクトや舞台芸術、展覧会企画など様々な領域を横断して活動している。2010年には秋葉原の通り魔事件を題材にした映画「夢ばかり、眠りはない」を制作、UPLINK FACTORYで上映され「風景映画の現代的な更新」として大きな評判を呼ぶ。その他の主な上映・展示に、バンクーバー国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭、ロンドン映画祭、平山郁夫賞 受賞顕彰展 「デジャメーヴユ 既/未視感」など。現在、東京芸術大学大学院博士後期課程在籍中。
企画者webサイト (外部リンク)

関連イベント

オープニング・イベント

日時: 2011年2月26 日(土) 17:00 - 19:00
会場: TWS 本郷

シンポジウム1|AR(拡張現実)風景論
日時|2011年3月5日(土)15:00-18:00 ※終了しました
トークゲスト|
丸田ハジメ(研究者・評論家)、若林幹夫(社会学者)、渡邉大輔(映画研究者・批評家)、清野仁美(アーティスト)、佐々木友輔(本展企画者)
概要|
郊外化と情報化によってうまれる/変わる風景とはどのようなものでしょうか。郊外論と情報論の交差する点としてのAR(拡張現実)、そしてそこから生まれるアートの可能性について考えます。
シンポジウム2|サヴァイヴァル・ディーヴァは郊外都市となった

日時:2011年3月26日(土)15:00-18:00
トークゲスト|
藤原えりみ(美術ジャーナリスト)、柳澤田実(哲学・宗教学者)、 ni_ka(詩人)、藤田直哉(SF・文芸評論家)、 石塚つばさ(アーティスト)
概要|
これまでSFで描かれてきた「身体拡張」や「身体=都市」というテーマは、「郊外都市」の姿として具現化しているのではないでしょうか。SFと生態学の見地から、郊外的環境における身体のあり方を探ります。

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