プロフィール
ウィル・フレンチはメルボルンで生まれ、幼少期を韓国とインドネシアで過ごした。2004年にSydney College of the Artsにてヴィジュアル・アートの修士号を取得、その後はオーストラリア国内でアーティストとして、またキュレーターして活動を続ける。
ウィル・フレンチの作品では、一連の皮肉交じりのユーモアと遊び心が共通してとり上げられる。彼はそれらの作品によって大衆的なものから政治的なものまで、幅広い問題や概念に目を向けさせる。これらのコンセプトと自身の立場との関係性を検証し、見る者に受け入れられやすい方法で自身の考えを示すのである。わかりやすいオブジェに、ちょっとしたひねりや派手な逆転を加えて、観る者の解釈を広げていくことが多い。
フレンチの作品には複合的なアートの実践が見られる。主な特色は、新しいプロセスや技法を取り入れること。意識的にそれぞれの新しいプロジェクトに挑むなかで、これまでに、リモコン制御されたロックギター、ソフト・スカルプチュアで作られた楽器、伝統的な技法で縫われた旗、廃棄されたダービーカーの制作とレース、チョコレート製の刑車、オートバイのモーターで駆動するミシンなどが盛り込まれた。
ウィル・フレンチは2008年度Fauvette Loureiro Memorial Artist Travel Scolarshipの受給生となり、2009年度にはWestpac Redlands Art Prizeを受賞、Helen Lemprier NSW Travelling Arts Scholarshipでは二度最終選考に残った。
また最近では、メルボルンのNextwave Festiva;やLocksmith Projectへも出展、PelotonやGrantpirrie Window Spaceでもこれから展示の予定である。
作品/パフォーマンスについて
私は興味をひかれた事柄や物語、体験を膨らませ作品を制作している。それぞれの作品は別々の場所で生まれ、作品としてどのように発表するかがはっきりクリアになるまでろ過するプロセスを経て制作されている。現在は2つの作品の主要部分を作っていて、一つはパフォーマンス性のあるキネティック・オブジェ、もう一つは一連の「旗」の作品を基にした、ぶら下がるタイプのものである。それぞれは似たところから生まれたものだが、形にすると違うものになる。私の作品は、私が興味を抱くあらゆるものから影響を受けている。
最近はスポーツとアートとのクロスオーバーに興味があり、2009年の「ツール・ド・フランス」と同時進行する作品も作った。自転車を漕ぐことで背景の紙を巻き取る機械を動かすパフォーマンスで、パフォーマンスをしながら、背景の紙にフランスの風景を描きこんだ。最近ではスポーツイベントへの同様の興味を基に作品制作のリサーチも行っている。