更新日:2026.4.3
| 参加プログラム | 国内若手クリエーター滞在プログラム |
|---|---|
| 活動拠点 | 大阪 |
| 滞在都市/滞在先 | 東京 |
| 滞在期間 | 2026年5月- 2026年7月 |
あらゆる場所から集まった人々が声を交わし続ける東京だが、そこにはどれほど「私的な声」があるだろうか。
今回のレジデンスでは、文章表現とは切り離された「私的な声」を採集し、そのかたちを描いて/書いてみたいと考えている。街なかでは張り巡らされた公共空間のコードにしたがって声が交わされるが、東京はそのコードの強さが際立っている。コードが強い東京という場所で声を採集し、私的な声がどういう限られた状況下で交わされるか分析したい。
思い出を語る音声の収録と、その音声をもとにした「読めない線」のシリーズ作品制作を行なった。音声の収録には4名の協力を得ることができた。うち2名は日本語ネイティブで、もう1名は中国語ネイティブ、もう1名はオランダ語ネイティブだったため、私自身が言語の意味内容を理解できない音声を収録し、描くことができた。また、4名それぞれ街なかでの収録と各自の自宅での収録の両方に協力していただくことができたため、場所による声質の違いを比較することができた。そのほか、わずかだが聾者の声について関係者から話を聞き、知見を得ることができた。

コーヒーミーティングでの中間報告の様子

制作中のスタジオ
制作中の様子
話者に合わせて画材の色選び
制作中の様子
アクリル絵の具での描写に変更し声を描いたもの
「読めない線」のシリーズを内実共に大きく前進させることができた。4名ものバラエティ豊かな協力者と出会えたのは、TOKAS に滞在していたからこそだと感じている。日本語ネイティブの協力者の声からは、街なかと自室で話される声の違いを知ることができた。また、中国語ネイティブ、オランダ語ネイティブの方の意味内容が私にはわからない音声を聞きながら描いているとき、なにが私に線を引かせるのか実感し、分析できたことは滞在制作のなかでもっとも大きな成果だったといえる。
今後は、滞在中の得た実感をもとに同シリーズの制作を続け、自分が世界と直接的に関わりながら作っていくシリーズ作品として、展示発表する機会を増やしていきたいと考えている。

オープン・スタジオでの作品展示
オープン・スタジオでは4名の話者の声を描いた作品を展示した

オープン・スタジオでの作品展示
パステルとアクリル絵の具の両方で描き、重ねて展示した

オープン・スタジオでの作品展示
アクリル板を用いて、4名ごとに緩やかに作品を分けている
撮影:間庭裕基

オープン・スタジオでの作品展示
実際の声と同様に、空間に浮遊しているイメージで設営を行なった
撮影:間庭裕基

オープン・スタジオでの作品展示
会場の自然光を活かし、描写が複雑に重なるよう配置した
撮影:間庭裕基