ショブン・ベイリ

レジデンス・プログラム

リサーチ・レジデンス・プログラム

更新日:2025.10.7

ショブン・ベイリ

参加プログラム リサーチ・レジデンス・プログラム
活動拠点ニューヨーク
滞在都市/滞在先東京
滞在期間2025年10月 - 2025年11月
滞在目的

私は現在、哲学者の大橋良介氏の「切れつづき(切断-持続)」という概念を通じて、「空間の断裂(spatial rupture)」についてのリサーチを行っている。これは、空間や国境をめぐる闘争が、いかにして生態的・社会的な断絶を越えて作用する美学を生み出すのかを探る試みである。
このプロジェクトは2つの部分で構成されている。ひとつは、生態的および社会的な圧力から生まれる現代の一時的建築(テンポラリー・アーキテクチャー)、もうひとつは、空間的な闘争を記録した日本のラディカル映画の歴史である。
特に興味があるのは、小川プロダクションのような制作集団と、彼らが空間の変容に抵抗するコミュニティを撮影した『三里塚シリーズ』である。私は、映画と建築の両方が、危機の瞬間において「存在」と「排除」をどのように媒介するのかを、歴史的なアーカイブも参照しながら探っていく予定である。 このリサーチは、今後制作予定のエッセイ・フィルム(映像エッセイ)と短編フィクション映画の骨組み(バックボーン)にもなる予定だ。

滞在中の活動
  • 京都で大橋良介氏に「切れつづき」についてインタビューする
  • 過渡期建築に関する研究を国立近代建築資料館で行う
  • 国立映画アーカイブでのリサーチ
  • 成田空港でのフィールドリサーチ
滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

滞在中は美学的かつ政治的概念としての「切れつづき(切断-持続)」を探求した。この概念が日本の美学の文脈でどのように理論化されてきたのか、また20世紀の政治史とどのように関わっているのかを探るため、哲学者の大橋良介氏と対話を行った。 リサーチを進めるにあたり、20世紀の日本における大規模な建築的・インフラ的変化を扱う美術館、展覧会、アーカイブを訪れ、特にインフォーマルな経済やインフラに焦点を当てた。また、現代の東京における建物解体業や自動車解体業についても調査を行い、これらの産業で多く雇用されている経済構造や移民コミュニティについても注目した。さらに、南アジアを基盤とする非公式な送金システムであるハワラについての継続的な研究も行い、それが日本でどのように利用されているのかも考察した。

滞在の成果

今回の滞在中のリサーチは、進行中のハワラに関する研究において重要な発見につながり、それによって映像作品をさらに発展させることができただけでなく、今後の新たな制作につながる種も得ることができた。また、将来の映像プロジェクトにおいて重要な手がかりへと導いてくれる多くの人々と出会うことができ、さらに、これらの古いインフォーマルな市場(闇市)が、現代日本における社会政治的変化や、そこから生まれる経済・インフラを考える上で、いかに有効な枠組みとなり得るのかについての理解も深まった。 来年には日本に再び戻り、この研究を継続する予定である。

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