更新日:2024.8.20
参加プログラム | 国内若手クリエーター滞在プログラム |
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活動拠点 | 山形 |
滞在都市/滞在先 | 東京 |
滞在期間 | 2024年9月 - 2024年11月 |
近年制作している《Skin》シリーズでは、自分とその周りとの関係性に焦点を当てた作品であるが、これまで最も身近な他者として「山」があった。これは生まれ育った長野と今住んでいる山形という場所が起因しているであろう。しかし、もっと身近な文字通り他者である「人」に対してはどうであろうか。人が波打つ東京で、どのような体験ができるか、「都市肌」とは何かを作品を通して考える。
東京という都市を「肌」の視点から捉えることをテーマに、リサーチと制作活動を行った。日々歩行を重ねながら、GPSデータや写真を収集し、都市空間の多層的な関係性を探求。グラフィティや街の表情に着目し、これらを素材にして都市の「肌感覚」を視覚化する作品を制作した。グラフィティを撮影した写真作品とGPSデータを用いたグラフィックス、視覚をテーマにしたドローイングを制作した。
2024年、リサーチ時の写真
2024年、リサーチ時の写真
2024年、グラフィティの写真
2024年、リサーチ時の写真
2024年、グラフィティの写真
2024年、グラフィティの写真
今回山だけではない自身とその周りの関係性について「肌」という言葉から東京を捉え直すという試みをした。その中で「歩く」という行為を軸に作品制作を行った。作品では当初から構想のあった3Dグラフィックスに加え、写真作品、ドローイングを制作した。 また成果としてはこれまで、絵画に対して「見る」という概念がなかったが、今回のドローイングによって新しい感覚を獲得したと考えている。これらのことを踏まえて、今後は多角的に自身と外界について作品を制作したいと思った。 滞在のうち半分以上をリサーチに費やし、絵は全く描かなかったが、ドローイングを制作している時に妙な充実感があり、改めて「描く」ことが自分にとって重要だと気づいた。グラフィティを撮影する中で、描く人々は「描く」という行為を通して街と関係性を結んでいるという解釈ができるかもしれないと感じた。太古の洞窟壁画のように、「描く」という行為は関係性を結ぶ手段のひとつなのではないかと考える。自身、今回は「歩く」という行為から東京という土地と関係性を結ぼうと試みたが、最終的に「描く」ことこそが外界と自身を繋ぐ行為のひとつなのではないかと感じている。
2024年、ドローイングスナップ
2024年、デスク周り