更新日:2024.12.6
参加プログラム | 二都市間交流事業プログラム(招聘) |
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活動拠点 | ブリュッセル |
滞在都市/滞在先 | 東京 |
滞在期間 | 2024年5月 - 2024年7月 |
私は、ヨーロッパの共同空間での経験を、異なる文化的コンテクストに応用しながら、東京の公共空間に対するアプローチを探求することを目指す。レジデンスでは、リサーチとアーティスティックな介入を通して、東京の社会規範がどのように公共の相互作用を形成しているのかを調査し、都市の共同体力学に新たな視点を提供する。私の目標は、東京におけるアイデンティティと空間の複雑な相互作用を考察し、都市環境に関する私の進行中の対話に貢献することである。
文化的に異なるコンテクストの中で、「孤独」や「出会い」といったコンセプトに注目した自身の実践を問い直して考察することができた。これまでの作品と異なり、今回の滞在では、相互的なやり取りを促すヴァーチャルなレイヤーを重ねた「つくらない」インスタレーションの可能性を探求した。この動的なアプローチをとおして、対話の創出や、人と人とのより深いつながりを育んだ。
《Always crossing(いつも交差している) #1》(リサーチ資料)
《Always crossing(いつも交差している) #2》(リサーチ資料)
《Never touching(決して触れない) #1》(リサーチ資料)
《Never touching(決して触れない) #2》(リサーチ資料)
石山修武氏によるツリーハウスを訪ねて(リサーチ資料)
今回のプログラムは新しく挑戦的なやり方で自身の実践を捉え直す機会となり、自身がこれまで行ってきたアート活動を大きく発展させることができた。東京では、ユニークな都会的構造と文化コンテクストの中での日常を体験したというだけでなく、都市デザインや孤独、コミュニティにまたがる関係性を深く理解する上での手がかりが得られた。都会的な孤独や思いやりを取り囲む規則といったテーマについての観察と考察を通じ、「出会いのための枠組み」や都会的な断絶に取り組んだ相互作用的インスタレーションといった新たなコンセプトやアプローチを見出すことができた。
加えて、自身の技術的スキルと将来的なプロジェクトへの可能性を広げるべく、TouchDesignerや相互作用デザイン、ビデオ・マッピングといった新たな手法をこの滞在中に獲得できた。さらにキュレーターやアーティスト、美術館・ギャラリーの人々を含めた、有意義なネットワークを日本で持てたことで、国際的な結びつきを今回は強くすることができた。最後に、日常の喧騒を忘れ、自身の芸術的な展望をさらに掘り下げるのに必要な平穏な気持ちと視点が得られる滞在となった。この経験は間違いなく今後の活動を豊かにしてくれることだろう。