ロランス・プティパ

レジデンス・プログラム

二都市間交流事業プログラム(招聘)

更新日:2024.12.6

ロランス・プティパ

参加プログラム 二都市間交流事業プログラム(招聘)
活動拠点ケベック・シティ
滞在都市/滞在先東京
滞在期間2024年5月 - 2024年7月
滞在目的

私はカナダ、ケベック州のセティル(7つの島という意味)という小さな町で生まれた。昔、私の父は、日本製の罠を使ったズワイガニ漁師をしていた。水揚げされるカニのほとんどは、今でも日本に送られている。今回のレジデンスでは、東京でカニを追いかけ、描き、食べたい。私はカニが地球の反対側、別の列島でどのように消費され、受け入れられているのかに興味がある。その探求を通して、また私のドローイングや人形劇を通して、日本の人々や長い歴史を持つ文化、そして他のアーティストたちと交流し、地球の反対側からの新しい対話を開きたいと考えている。

滞在中の活動
  • 東京の魚市場を訪れ、私と同じように遠くからやってきたズワイガニを見つけ、市場の人たちに会い、漁師の人たちと交流する。
  • 魚市場で観察スケッチをし、ドローイングをTOKASで完成させる。
  • 日本における水に関する妖怪や、民話、伝統について調査する。
  • パフォーマティブなコスチュームや人形を作るための新しい素材を探求。
  • 伊勢志摩を訪れ、伝統的な漁を行う海女に会う。
滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

東京でケベック産のズワイガニを探し回ることを足掛かりに、日本の魚市場や水族館、飲食店、銭湯に身を投じて日本人が持つ水との奥深い文化的なつながりを観察した。それらの場所でスケッチや観察を行いつつ、レストラン前に陳列される海鮮食品サンプルや大手オンライン通販サイトでの商品供給力、妖怪の民話、操り人形、身を清めるという儀式を比較した。そして、伝統的な日本の生地・模様である絹の絞り染めにたどり着いた。また舞踏との出会い、そして伝統的な文楽公演を手伝った経験を通じて生の身体表現とつながることができた。人形遣いと交流し、それまで見たことのなかった技術を使って作られた操り人形を経験することができた。これらの活動経験から、自作の衣装に加え、和紙に描いたドローイング、着物用の絞り染めの端切れ、カニの甲羅、フグのひれを組み合わせた壁かけの人形を特徴とする《Kani no obake》または《Personal yokai》と名付けたパフォーマンス作品を制作した。

《Kani no obake》壁から離れる操り人形、2024年

《Kani no Obake》あやつり人形の細部、2024年

《Kani no obake》パフォーマンス衣装、2024年

《Kani no obake》パフォーマンス衣装、2024年

《Soupe de crabe Tsukiji market(築地市場)》2024年

滞在の成果

新たな人形操演技術を経験したほか、引き続き探求したいと思える素材が見つかった。ケベック産のズワイガニの甲羅を使用したことにより、ズワイガニについて多くのことを学び、社会的・政治的・経済的な輸出入産業の現実を通じた気候変動についてより多くの気づきが得られた。
伊勢志摩には当初5月中に訪れたかったが、レジデンス滞在終了後に訪れることができ、自身の活動とリサーチとって多くの素晴らしいつながりを得ることができた。

クリエーター情報

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