更新日:2023.1.12
参加プログラム | リサーチ・レジデンス・プログラム |
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活動拠点 | ロンドン |
滞在都市 | 東京 |
滞在期間 | 2023年1月 - 3月 |
このリサーチでは、東京を拠点とするアーティスト・コレクティブ、自主運営のアート・スペース、クリエイティブ・ハブを調査し、それぞれのスペースの価値観や倫理観を大切にしながら、その歴史や新型コロナウィルス感染症パンデミック下で遭遇した課題と成果を明らかにしようとする。また、芸術・文化セクターの発展に伴う責任の変遷を探りながら、芸術分野で用いられている多様なアプローチを分析する。さらに、東京のオルタナティブ・スペースをマッピングし、世界のアーティストや文化人のネットワークにつなげ、アートにおける国境を越えた交流を強化する。
滞在中、コレクティブやアーティスト・ラン・スペース、そしてリサーチに関連する多くのプロジェクトとつながることができた。日本で最も長い歴史を持つインデペンデント・スペースの一つであるArt Center Ongoingをまず初めに訪れ、その後東京やそれ以外の地域のスペースを訪れ、進行中の展覧会や、オルタナティブ・スペースをチェックし、アーティストやキュレーター、あるいはそれらを立ち上げたコレクティブやグループと話をすることができた。
食事は私の活動の大きな部分を占めており、また、様々な文化、研究、芸術活動、闘争や主張について、コミュニケーションをとり、関係を築き、学ぶ方法として、一緒に食事をするというアプローチを用いている。
私は、アーティスト、キュレーター、スペース、その他あらゆるクリエーターが互いに出会い、他の人々が何をしているのかを知り、将来的には一緒に仕事をしたりコラボレーションしたりすることができるようなハプニングを起こすために、サロサロというフード・ギャザリングを滞在中数回企画した。
アーツカウンシル東京、東京アートポイント計画を訪問
海老名芸術高速を訪問
Irregular Rhythm AsylumでのA3BC版画コレクディブ活動の様子
気流舎での交流の様子
このプロジェクトは、私がArt Centre Ongoing以外の東京や日本のアーティスト・ラン・スペース、コレクティブ、インディペンデント・アート・スペースについて、あまり知らなかったという事実から、興味と情熱を持って発展していった。これは、おそらく海外のアート関係者の多くが共有する意見であろうし、このようなタイプの実践や現象に関して、東京は必ずしもコレクティブやインデペンデント・アートスペースで溢れている場所という印象はないと思われる。
滞在中に訪れ、出会い、学んだ人々、プロジェクト、コレクティブ、そして様々な種類のインデペンデント・スペースや取組みに、とても驚かされた。私のリストには、東京とその周辺を調査しただけで約100のスペースがあるが、これには、京都や九州各地で出会った素晴らしいスペースや実践、人々は含まれていない。
東京(のオルタナティブ・スペースやコレクティブの)マッピングのためのオンライン・プラットフォームでは、たくさんの組織を登録することができたが、同時に、時間やスケジュールの制約から訪問できなかったところもたくさんあった。今後、マッピングのリストを増やしたいと思っている。そして、今回会えなかった人、プロジェクト、スペースに出会う機会を得るために、もっと長い期間東京を訪れたいと考えている。このようなリサーチには人や空間とのんびり関係性を発酵させる時間は欠かせないものだ。もっと早くから食事会を開いたり、人と連絡を取ったり会いに行くべきだったなどの反省もあり、今後のプロジェクトの進め方を考えるうえで、多くの教訓を得ることができた。
Art Center OngoingでのSALO SALO(フードギャザリング)の様子
TOKASオープン・スタジオの様子
TOKASレジデンシーでのSALO SALO(フードギャザリング)の様子