バディ・ダルル

レジデンス・プログラム

芸術文化・国際機関推薦プログラム

更新日:2022.2.4

バディ・ダルル

参加プログラム 芸術文化・国際機関推薦プログラム
活動拠点 フランス
滞在都市東京
滞在期間 2021年2月 - 6月
滞在目的

私は新たに日本に移り住んだアラブ圏にルーツを持つ人々と一緒に、リサーチと支援活動に取りかかると同時に、新しい環境での発見や、私的・社会的そして文化的な再構成からなる彼らの個人史、またそれが私自身の立場にどう影響するかについて映像作品を制作する。
この映像作品とともに、ドローイング、コラージュや写真のシリーズ作品を通して、故郷から遠く離れた外国の地で新しい生活をはじめようとした時の発見、そして統合の過程をより緻密に文脈化していく。

滞在プラン
  • 東京にいるアラブ圏にルーツを持つ人々と会い、彼らの口述やドローイング、写真や個人的な素材を映像に収める
  • 収集した素材をもとに映像作品のための物語を書く
  • ヨルダンやパレ・ド・トーキョーで展示したことのある2016年からの作品シリーズ《a country without a door or a window》の新しいマッチボックス・ドローイングを制作。(過去のドローイングはいくつかの美術館の収蔵品になった)
  • 可能であれば、滞在の終わる頃に映像作品《my imaginary country》の途中経過を上映
  • 3月にシアターコモンズ'21に参加し2つのワークショップを行う


滞在中のリサーチ及び制作活動

京都のヴィラ九条山とTOKAS滞在中、映像作品の制作を行い、政治的・経済的要因に人生を大きく左右される日本在住のアラブ圏ルーツの移民の肖像を描き出した。 映像作品《日本人アハマッド》は、映像イメージにドローイングや文章が重なり構成されており、新天地に移り住む若い男女が、似たような影響・運命を共有する場として機能する。それは、誰でも自分の身に置き換えて考えられるものだろう。 また、滞在中、2011年に勃発したシリア内戦についての約70枚のマッチ箱サイズのミニチュアドローイングを制作した。 この作品シリーズはフランスで制作を開始し、ヨルダン、そして今回日本で制作された。どこにいても、シリアから自分を隔てる地理的距離を扱い、残念ながら、誰もが遠い地での紛争を自分事とせず、距離を持ってみてしまうことも扱っている。

映像作品撮影風景(ダンスシーンカメラテスト)

映像作品撮影風景(両国・回向院での撮影)

スタッフとの活動計画ミーティングの様子

滞在レジデントとのミーティングの様子

滞在の成果について

映像作品を完成することができ、ヴィラ九条山とTOKASの援助で日本語字幕、自分で英語字幕も追加した。滞在中に、「シアターコモンズ'21」でのワークショップ、「広島アートドキュメント2020」での展示、象の鼻テラスでのワークショップ「Bound Together」を行い、TOKAS2021レジデンス成果発表展「A Scoop of Light」に参加した。これらの活動を通じて、様々なアート関係者と出会い、作品について議論を深めることが出来た。 映像作品とミニチュアドローイングは既に数か所のアートスペースで展示予定があり、今後もより多くの場所での発表の機会があることを期待する。

“シアターコモンズ‘21”でのワークショップ ©芸術公社

“広島アートドキュメント2020” 展示風景

象の鼻テラス “Bound Together” トークイベント

TOKASレジデンス2021成果発表展 “A Scoop of Light” 展示風景


※バディ・ ダルルは、ヴィラ九条山の2021年招聘レジデントとして日本で滞在制作を行った。
東京でのリサーチを行うための本プログラムは、ヴィラ九条山とトーキョーアーツア ンドスペース(TOKAS)のパートナーシップにより実現。(2021年2月-4月)


クリエーター情報

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