菊地智子

レジデンス・プログラム

二都市間交流事業プログラム(派遣)

更新日:2019.10.21

菊地智子

参加プログラム二国間交流事業プログラム(派遣)
活動拠点日本
滞在都市/滞在先ソウル/セマ・ナンジレジデンシー
滞在期間2019年5月 - 2019年7月
滞在目的

今回の滞在制作では、今まで長期間行ってきたリサーチを元に写真と映像撮影を行う。現在南北統一に向け新たな展開を見せる韓国で、そこに生きる北のサラムたちの置かれた状況を考察しながら、分断された国の狭間に生きる人々の過去、現在、未来についての対話を行い、彼らを取り巻き変化し続ける現象を、現代史や現代社会の事象と相対しながら映像化を試みる。人々の言葉をつなぎ、写真、映像を通して表現することにより、過去と現在を未来に繋げ、最終的には朝鮮半島の未来を視覚化し想像するインスタレーションを制作していきたい。

滞在中の活動(計画)

・対象者と、いくつかの質問に基づき、彼らの過去、現在、未来についての対話を行う。
・対話に基づく、具体的な風景や、様々な彼らの心象風景の撮影
・対象者との旅、撮影
・対象者と「気球」をテーマにしたパフォーマンスを写真、ヴィデオ撮影
・滞在終了後 写真、ヴィデオ作品を編集し、最終的に写真とヴィデオをインスタレーション形式で制作する。

滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

韓国ソウル 京畿道 江原道で約250人の対象者と会い、彼らの過去、現在の生活、未来の展望に関する対話を重ね、最終的に5人の映像インタビューと6人の音声インタビューを行った。その他SMSを使った対話や、かつて国外へ気球を送る活動をしていた方から気球の制作方法を習いインスタレーションの構想を練るなど、様々な形による対話を基に今後ヴィジュアル化し作品に結びつけるためのベースになる作業を行った。

活動の成果、反省点、今後の活動への影響

成果:約250人に会ってディスカッションの上交渉し、最終的に5人の撮影インタビュー 6人の音声録音インタビューに結びつけた。 反省点:言葉の問題もあるが、会見やインタビューにもかなり時間を重ねないと私の聞きたい本音や彼らの心の闇、私自分の心に響いてくる言葉に出会わないことに気づかされたこと。何度も会うことが難しい人にはショートメッセージと翻訳機能を用いてコミニュケーションを続けた。一人一人コミニュケーションの方法が違い、根気のいる作業であるが、今後、この集めた声をどうやってヴィジュアルに昇華させていくかも、今まで考えていたやり方以上にもっと斬新なアプローチや方法が必要なことに気づかされた。 今後の活動への影響:今までと全く違うアプローチが必要なことに気づいたことが、今後の自分の制作の上で突破口になっていければと思う。今回の活動の続きは9月以降、ソウルで活動を続けていく中で新しいアプローチにチャレンジしていきたい。

《迷境(前景)/傷城(背景)》ビデオインスタレーション、2012/2014
(SeMA Nanji Residencyでのグループ展での展示風景)©Tomoko Kikuchi

《DaYeon: 北朝鮮人の母親と中国人の父親を持つ少女》2019

クリエーター情報

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