寺澤伸彦

レジデンス・プログラム

二国間交流事業プログラム(派遣)

更新日:2019.11.21


寺澤伸彦

参加プログラム 二国間交流事業プログラム(派遣)
活動拠点日本
滞在都市台北
滞在期間
2011年10月 - 2011年12月
滞在目的

レジデンスの特異な成り立ちや風水など台湾の文化を自身に取り込み、誰も試みなかったようなやり方で出力していくことが大きな目的のひとつである。
そのためにはリサーチや文化比較、地域住民とのコミュニケーションが最重要だと思われる。

滞在中の活動

レジデンスの特異な地域性を生かしながら人々とのコミュニケーションを図る。 更には台湾風水を自身の生活や活動、制作に取り込み活動する。
具体的には「風水による四畳半部屋作り」に始まり、菜園制作、酒造なども風水師の助言のもとに 行う。

[中間報告]
■リサーチ及び制作活動について
トレジャーヒルには多くの一般市民の住居もあり、多くのお年寄りに当時の生活や体験を聞くことができた。
中でも日本統治時代の日本語の歌を聴かせてくれたり、当時の軍服を見せてもらったりと感慨深い体験が多々あった。またその経験は制作に大きな影響を及ぼしたとも考えている。

■滞在の成果、反省点、今後の活動への影響
成果(制作/交流)
約二ヶ月間、非常に制作に集中できた。若い世代は短期間での仕事量とヴィジュアルに対して驚き、老人達は(もちろん僕の製作場所について知識があるので)内容に対して納得される方が多い。なかなか挑戦できない特異な場所で空間と作品がうまく連動したと考えている。作品をパーマネントにする方向からも、皆を納得させるよい作品であるとおもう。

反省点及び改善点
多くのプラン変更や、ディレクターの要望での追加作品などを了承しすぎたせいで、あまりにもタイトな スケジュールになってしまった。のべ60人程度のボランティアに感謝するばかりである。
残りの1ヶ月は広報等に力を入れようと考えている。


今後の活動への影響
今後もレジデンスに挑戦していきたいという強い気持ちになった。NEXT10から始まった壁画が旅を しているような不思議な感覚である。サイトスペシフィックであり、大小さまざま対応できるので今後 も挑戦してみたい。またトレジャーヒルでの作品を除けば、展示が終われば消されてしまうという潔さ と儚さを持っているのが壁画の良い点であると考える。

■もっとも印象に残ったエピソード
3ヶ月という滞在期間は非常に不思議なもので、いわば滞在型の旅行者的である。そのような視線で台北という都市を眺めると、日本の80年代のような感覚に陥ることが多かった。特にファッションやアートに対する人々の思考はより色濃いように感じた。
しかしトレジャーヒルはまるで時が止まったような不思議な一角である。出会った多くの老人の中で、戦争体験で精神に障害をきたし、周辺を徘徊しては作家やスタッフに罵詈雑言を浴びせる人がいた。しかし住民は彼のことを大切にし、彼が大騒ぎをするたびに僕達のところに謝りにきた。 このような人々を黙殺せずに、地域住民でやさしく見守る姿勢がとても美しいと思った。

■リサーチや滞在制作を通して、「滞在国」や「派遣都市」に対する意識の変化や新しい視点について
滞在し、制作していく中で子供からお年寄りまで多くの人々と関わることができた。印象的だったのは、日本に統治されていた頃の話を周辺の多くの老人がよく話してくれることだった。発展も大切だが、このような場所を残すべきだしもっと多くの人々に知ってほしいという言葉が印象的だった。
一方で現地の若いボランティア達はトレジャーヒルの歴史をほとんど知らず、歴史的背景にあまり興味を持っていないような印象を覚えた。
この世代間の相違を、制作によってリンクを架けることがアートにできる可能性なのではと考えた。





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