渡邉康太郎

レジデンス・プログラム

二都市間交流事業プログラム(派遣)

更新日:2019.11.28


渡邉康太郎

参加プログラム 二国間交流事業プログラム(派遣)
活動拠点日本
滞在都市ストックホルム
滞在期間
2009年11月 - 2009年12月
滞在目的

短期間のものも含めると、私はこれまで世界の複数の場所で生活をした経験があるが、それらの滞在の第一義的な目的は、学習や研修、就労などであった。もしくは、学習、研修、就労などの形を借りて、土地の人や文化とのつながりを探る試みであったと言うこともできるかもしれない。いずれにせよそれは、必ずしも何かを「つくる」ことではなかった。一方このプログラムは、再作物、もしくは制作活動そのものが、その土地の人や文化との第一のコミュニケーションの手段となりうる機会であると言える。私はスウェーデン語を解さない。だが、ことばの代わりに、作品自体が何かを物語り、私自身の思想を描き出すことができるのだろうか?その挑戦に大きな魅力を感じ、参加を決めた。

滞在中の活動

2011年度 レジデンス・プログラム公募説明会
2009年度 レジデンス成果発表展覧会「TOKYO STORY」
2009年度 二国間交流事業 レジデンス帰国報告会
レクチャー(コンストファック美術大学)
2009年度 二国間交流事業(ストックホルム)派遣

11月、12月という二ヶ月間の滞在は、冬至を跨ぐがために、日本人の私にとっては、大変特徴的な時期であると言えるだろう。日照時間の極端に短いその時期にあって、日本人が感じることとはどのようなものになるだろうか?その感覚を構成する撚り糸を少しずつ解きほぐしながら、人と出会い、ワークショップ等を重ねて、現地のクリエイターとのコラボレーションを含む制作を行いたい。滞在制作成果 私のストックホルムでの滞在は、冬至をまたぐ日程であった。日照時間が6時間程度となるこの季節に、この場所でしかできない作品制作をと、太陽光をテーマに据え、「太陽光のもとでのみ読み書きが出来るポストカード」のレターセットを制作した(添付写真参照)。  多くの人と出会う機会があったが、個人的に特に有意義な出会いであったと感じるのは、この作品制作を可能にした印刷業者や、その業者を紹介してくださったキュレータの横山いくこさんであるように思う。横山さんのご協力無くしては、あらゆることに倍以上の時間を要していたであろうことは想像に難くない。  作品制作を前提にすると、2ヶ月という滞在期間は決して長いものではないため、計画性が肝要となる。その点を振り返ると、制作方法自体については事前にある程度の見通しがついていたが、一方でその具体的な方法論や、リサーチの過程、その他作品制作以外の活動についての計画についても、より詳しい見通しを事前に練っておくこともできたのでは、と考える。

交流事業成果
12月の中旬に、現地の美術大学・KonstfackのExperience Designコースの枠組みにてレクチャーを行った。ここでは、takramとしてのこれまでの作品の他、ストックホルム滞在中に進めていた作品制作の途中経過についても発表した。参加者に作品に直接触れてもらう時間も設けた(添付写真参照)。コースを履修する同大学の学生の他、大学の教員、他校のデザイン系学生および教員、他校の社会起業家育成コースの学生などといった、幅広い方々に参加していただくことができ、レクチャー後に個別に意見交換する機会を持った  その他、滞在の締めくくりとしての、最終的な展示会の開催には至らなかったが、幾つかのメディアへの掲載が決まり、その場を借りて成果の一部を発表させていただく予定である(美術出版社の「デザインの現場」、「Le Figaro Japon」のブログ、ストックホルムのファッション・カルチャー誌「People」など)。






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