「TOKAS-Emerging」は、トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)が2001 年より行っている若手アーティスト
の活動支援プログラムです。日本国内を拠点とする35 歳以下のアーティストを対象に公募を行い、個展開催の機会を提供しています。
今回の公募では、ある環境の中で適応と反発を繰り返しながら自己を形成する生き物をテーマに絵画を制作する井澤茉梨絵、個人の生活の中で生み出される筆跡に興味をもち、それらを解体・再構成したインスタレーションを展開する奥村美海、インフラや通信技術等、システムの中で解体されうる身体を彫刻で表現する高橋直宏、炭鉱をモチーフにした作品をとおして自然と人のつながりを探る野村由香の4名が選出されました。絵画、彫刻、インスタレーション等、さまざまな表現による作品をご覧いただけます。
新進アーティストの躍動の機会となる本展にぜひご期待ください。
タイトル | TOKAS-Emerging 2025 |
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会期 | 2025年4月5日(土) - 5月4日(日・祝) |
時間 | 11:00-19:00(入場は閉館30分前まで) |
休館日 | 月曜日 |
会場 | トーキョーアーツアンドスペース本郷 |
入場料 | 無料 |
アーティスト | 井澤茉梨絵、奥村美海、高橋直宏、野村由香 |
主催 | トーキョーアーツアンドスペース(公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館) |
キャンバスをひとつの環境とみなし、その中での「適応と反発」をテーマに絵画制作を行っている。一定の枠組みの中で、種々の生き物は適応と反発を繰り返しながら生きるための身体を獲得し、同時にその環境のありようも、生き物の営みによって浮き彫りになる。本展で井澤は、ある環境、その周縁、そして同時に存在する異なる環境にまで関心を広げ、大型作品を中心とした複数の絵画による「展示空間」を新たな環境として作り出す。
落書きや帳簿に書かれた線など、生の痕跡として個人の日常生活に強く結びついた筆跡を「マイクロレター」と名付けて収集・研究し、それらを解体・再構成した作品を制作している。本展で奥村は、90歳を迎える自身の祖父へのリサーチをもとに平面作品や映像によるインスタレーションを展開し、祖父と奥村の間に流れた年月から、時間の中の記憶と身体、筆跡と認知の関係性を探る。
身体の可変性と、それによる意味や認識の変化をテーマに、解体可能な人体彫刻を制作している。物流や通信技術の発展によって遠隔地でもコミュニケーションや作業を行うことが可能になった現代においては、身体の一部が切り離されてその場所で機能しているようでもある。高橋は本展でさまざまな制度や技術の中で切断、加工、再構成される身体に着目し、異なる作品を接合した人体彫刻によって、社会システムにおいて私たちを切断するもの、人間/非人間の関係をいかに表現するか検討する。
人智を超えたスケールで展開される自然の変化やその根底にある力について捉えるため、作家自身を動力とする装置を作品として発表している。本展で野村は、石炭の質感、時間や生命の蓄積に魅了されたことをきっかけに、北海道と九州の炭鉱でリサーチを行い、坑道をモチーフとした作品を制作する。石炭というエネルギー源をめぐる人間と大地の物語を表現し、人と自然の関係性について再考する。
助成:公益財団法人 松浦芸術文化財団
日時 | 2025年4月5日(土) 15:30-17:30 |
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出演 | 井澤茉梨絵、奥村美海、高橋直宏、野村由香 |
ゲスト | 福元崇志(国立国際美術館 主任研究員)、森 啓輔(千葉市美術館 学芸員) |
会場 | トーキョーアーツアンドスペース本郷 |
料金 | 無料 |