OPEN SITE 8|公募プログラム【パフォーマンス部門】
人間を中心とした世界を反転させ、他物のためにある人間の肉体についての可能性を考えるパフォーマンス。この《庭》では、人工物、自然物、肉体が等価に存在し、《庭師》たちによってそれぞれが互いに《接木》され、侵犯し合う。それぞれのオブジェクトは、互いが互いを義肢とし、やがて人間さえも植物や機械の義肢となることで、オブジェクト同士の関係は氾濫し、この人間社会において定義づけられた機能や存在意義を逸脱した可能性のキメラとして癒着する。そして、それらが矛盾しながら調整しあうことで共存し、その《庭》は造られ続ける。
会期 | 2024年2月2日 (金) 19:00– 2024年2月3日 (土) 17:00– 2024年2月4日 (日) 15:00– |
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料金 | 3,000円 - 予約制 - 各公演とも定員になり次第、または開始2時間前に予約受付を終了します。 |
会場 | トーキョーアーツアンドスペース本郷 スペースC (3F) |
出演 | 好光義也、三好彼流、山口みいな、掃除機、鉄パイプ、樹木、肉(萩原富士夫、今宿未悠、花形槙、他)、AI、仮想オブジェクト、他 |
テクニカル | 小林篤矢、JACKSON kaki、杉野晋平 |
義肢制作 | 安田伸裕 |
インストール | mooney / Munehiro OHTA、dodi |
マネジメント | 西村梨緒葉 |
グラフィックデザイン | 中村陽道 |
キービジュアル | 三好彼流+JACKSON kaki+好光義也+山口みいな+小林篤矢+大澤一太+今宿未悠+花形槙 |
撮影 | 上野貴弘 |
支援 | 文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業 |
チケット情報 | 2月2日(金)19:00- *満席になりました。当日券の販売はございません。(2/2) 2月3日(土)17:00- *満席になりました。当日券の販売はございません。(2/3) 2月4日(日)15:00- *満席になりました。当日券の販売はございません。(2/4) |
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庭は石や植物や地形といった、さまざまな物体が配置された姿かたちとしてそこにある。庭づくりとは、一つの物体が置かれるたびに変わっていく場に、新たに物体を巻き込み連鎖させていくことだ。そして、配置される物と物とが結びつき、物体相互の揺らぐ関係の束としての構造体を形作る。庭とはこの連鎖の結果として残る物体の配置のことである。[*]
このパフォーマンスでは、庭に、石や樹木だけでなく、道具や機械、AIや仮想オブジェクト、そして、人間の肉体をも等価に巻き込む。そして、それらが連鎖し混じり合いながら、互いが互いを自らの肉体の一部-《義肢》-として癒合していく庭:“義肢の庭”《A Garden of Prosthesis》を生成することを試みる。
人間中心主義的な世界において、他物は常に人間によって利用されるものとして存在してきた。石や樹木は建材や美観を保つものとして、道具や機械は生産を効率化するものとして、人間の肉体は労働価値を生み出すものとして存在する。物/者たちの存在意義は「正常に」収束し、やがてそのほかの意味を想像できなくなってゆく。我々は人間性と生産性に基づく関係の檻の中にいる。
この《庭》では、理性的な人間が他物を利用するのではなく、むしろ、「人間」という規範が剥がれた「肉」としての体が、《庭師》たちによって他物と等価に、あるいはマゾヒスティックに配置され、連鎖する。さらには他物と《接木》され、キメラ的に癒合する。人間である限り脱することのできない人間中心主義は、脱する代わりに捻転し始め、やがてこの「正常な社会」の内部に裂け目を作ることを試みる。それらが捻り集まった全体として「島宇宙的な外部」としての《庭》が生成される。そして、周囲にあるものすべてを-あなたを-《庭》へと巻き込みながら、この世界の外側へと躍り出る!
*山内朋樹『庭のかたちが生まれるとき - 庭園の詩学と庭師の知恵』(フィルムアート社、2023年)による
『A Garden of Prosthesis』2023
『A Garden of Prosthesis』2023
『A Garden of Prosthesis』撮影:Kenryou GU
1995年東京都生まれ。京都府を拠点に活動。テクノロジカルに加速する資本主義社会において変容する、自-他の境界、人間-非人間の境界への関心のもと、「私」でなくなっていく、「人間」でなくなっていく肉体についての実践を行う。
https://www.shinhanagata.com/