東京都現代美術館で開催する本受賞記念展は、受賞者の藤井光と山城知佳子による作品を個展形式で展示します。
藤井は本展で、展覧会や作品輸送の際に放出される廃棄物を再利用し、敗戦後間もない時期に東京都美術館で占領軍関係者に向けて開催された戦争記録画の展覧会をインスタレーションにより再構成しています。アメリカ国立公文書館に現存する資料から浮かび上がる占領軍の日本の戦争画の処置をめぐる逡巡をとおして、戦争のただ中で情報戦の武器として描かれた戦争画を現代の私たちはどう見るのか、問いかけます。
山城は、新旧作各2点の映像を展示しています。旧作は、3面マルチチャンネルでの上映は10年ぶりの《肉屋の女》や、子供部屋をイメージした空間で、サウンド・インスタレーションによるインターバルを新たに加えた《チンビン・ウェスタン 家族の表象》を展示します。新作の《彼方(Anata)》は、認知症を発症した戦争経験者の記憶について取り上げ、忘却によって見慣れた土地が新鮮に映り、新たな地平へ踏み出すような希望を感じる内容で、山城の新境地といえる作品です。さまざまな解釈ができる山城の作品ですが、全体をとおして、戦争の記憶の継承をあらためて考える展示となっています。
※新型コロナウイルスの感染状況により、実施内容が変更となる場合があります。
タイトル | Tokyo Contemporary Art Award 2020-2022 受賞記念展 |
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会期 | 2022年3月19日(土)- 6月19日(日) |
時間 | 10:00-18:00 |
休館日 | 3/22、3/28、4/4、4/11、4/18、4/25、5/2、5/9、5/16、5/23、5/30、6/6、6/13 |
会場 | 東京都現代美術館 企画展示室3F (東京都江東区三好4-1-1) |
入場料 | 無料 |
出展作家 | 藤井 光、山城知佳子 |
主催 | 東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 トーキョーアーツアンドスペース・東京都現代美術館 |
TCAAウェブサイトにて公開しています。
藤井 光
山城知佳子
本展で戦争記録画をテーマにした作品を発表している藤井光が、今回の作品制作に協力した河田明久氏(美術史家、千葉工業大学教授)をゲストに迎え、アーティスト・トークを開催します。 今日私たちは戦争画にどのように向き合うことができるのかを考察します。
開催日時 | 2022年4月23日(土) 14:00-15:30 |
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出演 | 藤井 光、河田明久(美術史家、千葉工業大学教授) |
会場 | 東京都現代美術館 地下2階講堂(江東区三好4-1-1) |
料金 | 無料 ※要事前申込・先着順 |
TCAAウェブサイト |
※新型コロナウイルス感染症の状況により、変更等が生じる場合があります。
本展開催に合わせて作成したモノグラフ(作品集)の寄稿者であり、 これまでの山城の作品をよく知る港千尋氏をゲストに迎え、アーティスト・トークを開催します。長年、作品や沖縄について議論を重ねてきたお二人のエピソードを交えながら、本展出品作品を中心に、ローカル/グローバルな視点で見た現在の沖縄について話します。
開催日時 | 2022年5月22日(日) 15:00-16:30 ※満席となりました。 |
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出演 | 山城知佳子、港 千尋(写真家、映像人類学者、多摩美術大学教授) |
会場 | 東京都現代美術館 地下2階講堂(江東区三好4-1-1) |
料金 | 無料 ※要事前申込・先着順 |
TCAAウェブサイト |
定員に達したため、予約受付は終了しました。
※新型コロナウイルス感染症の状況により、変更等が生じる場合があります。
藤井が本展出展作品で主題としている、1946年に占領軍関係者のために東京都美術館で展示された「戦争記録画」について、ジェンダーや人種、ポストコロニアルの視点から美術を研究する北原氏を招いてトーク・イベントを行います。対話を通じて「戦争画」の概念を問い直すことを試みます。
開催日時 | 2022年6月12日(日) 14:00-15:30 |
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出演 | 藤井 光、北原恵(美術史家、ジェンダー研究者、大阪大学名誉教授) |
会場 | 東京都現代美術館 地下2階講堂(江東区三好4-1-1) |
料金 | 無料 ※要事前申込・先着順 |
TCAAウェブサイト |
※予約受付は終了しました
※新型コロナウイルス感染症の状況により、変更等が生じる場合があります。