道と根

TOKAS Project

道と根

TOKAS Project Vol. 4

TOKASでは2011年に友好都市提携を結ぶベルリン市と東京都の間で、双方向にクリエーターを招聘・派遣する文化交流事業「二国間交流事業プログラム」を開始し、ベルリンのクンストラウム・クロイツベルク/ベタニエンでの滞在制作の機会を提供してきました。

本展では、TOKASとクンストラウム・クロイツベルク/ベタニエンとの交流10周年、ならびに日独交流160周年を記念してベルリンを拠点に制作活動を行うアーティストを紹介します。 他国の都市に比べ、社会構造的にアーティストが生活しやすく、また、芸術活動のコミュニティが成り立ちやすい環境にあるベルリンには、世界中からアーティストが集まって活動しています。

本展で紹介する杉藤良江、武田竜真、シンゴ・ヨシダも、数年来ベルリンに拠点を移し、言語も文化も異なる環境に対応しながら、ヨーロッパならではの歴史性や多様性などについて、多角的な視座を持って制作に取り組んでいます。彼らは、ドイツ在住の日本人アーティストを対象としたTOKASの滞在制作プログラムに参加し、クンストラウム・クロイツベルク/ベタニエンを発表の場として活用しながら、これまで自身が培ってきたネットワークを活かした活動や交流を通じて、各々の知見を広げました。 今年、奇しくも3名のアーティストはそれぞれ別の理由でベルリンを一時的に離れ、再び故郷とは異なる土地での生活を始め、制作を進めることになりました。
本展では彼らが着目する伝説や伝統、文化などをテーマとした作品を紹介するとともに、過去にTOKASで滞在制作を行い、現在ドイツを拠点とするマーティン・エブナー、ヨアヒム・フライシャー、ステファニー・ガウスがユニークな視点で日本を捉えた映像作品も上映します。

ある場所へ辿り着くための道程と、その土地に根差し、痕跡を残していくこと。そして次の場所への道筋を描いて軽やかに旅立っていくこと。
本展では、彼らの作品をとおして、その長い旅程の積み重ねを経て形成された土壌と、そこから芽吹いてきたカルチャーを示します。

※2021年3月をもってTOKASは、ベタニエンでの活動に一旦区切りをつけることとなりましたが、今後もドイツとの交流事業を継続する予定です。 

開催概要

タイトルTOKAS Project Vol. 4 「道と根 Routes/Roots」
会 期
2021年8月21日(土) - 10月3日(日)
時 間 11:00-19:00
休館日 8/23、9/6、13、21、27 
会 場
トーキョーアーツアンドスペース本郷
クリエーター 杉藤良江
武田竜真
シンゴ・ヨシダ

マーティン・エブナー
ヨアヒム・フライシャー
ステファニー・ガウス
入場料
無料
主 催公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 トーキョーアーツアンドスペース
後 援ドイツ連邦共和国大使館、ゲーテ・インスティトゥート東京

参加アーティスト

《Coffee Reading》 2019

杉藤良江|SUGITO Yoshie
社会的な交流や、日常行為の中で出合う造形的瞬間やイメージの発生について探り、さまざまなメディアで表現する杉藤。中東に伝わる伝統的なコーヒー占いや、主体と客体を切り替える装置として取り入れたパジャマをモチーフに、インスタレーションを展開します。

【プロフィール】1985年愛知県生まれ。ニューヨークを拠点に活動。2013年ブラウンシュヴァイク美術大学マイスターシューラ―修了。

《Skin Deep Beauty》 2016 撮影:上野則宏

武田竜真|TAKEDA Tatsuma
武田は、自身の作品における「メディア」という概念を、絵画彫刻といったいわゆる古典的アナログ美術の「媒体」と捉え、共通言語としての美を探ろうとしています。本展では、中世西洋の植物を描いた静物画から着想を得た「Skin Deep Beauty」シリーズを発表します。

【プロフィール】1988年熊本県生まれ。アムステルダム/ベルリンを拠点に活動。2020年ドレスデン美術大学カールステン・ニコライ研究室マイスターシューラー課程修了。

《ルーデット、ルーデット、蛇から私を守ってください》 2020

シンゴ・ヨシダ|YOSHIDA Shingo
世界各地のミクロ社会文化への興味から、各地に伝わる神話や、自然に対する人間の営みやその無力さなどを主題に映像作品を制作する吉田。本展では、友人を訪ねて出向いた、フランスとスペインの国境沿いにある小さな村に伝わる伝説をもとに制作した映像作品を中心に紹介します。

【プロフィール】1974年東京都生まれ。マルセイユ/ベルリンを拠点に活動。2007年パリ国立高等美術学校大学院 プログラム ラ・ セーヌ修了。
映像作品スクリーニング

過去にTOKASのレジデンス・プログラムに参加した、ドイツを拠点とするアーティストによる映像作品の上映を行います。
展示期間中、順番に上映します。

マーティン・エブナー|Martin EBNER

2017 年度二国間交流事業プログラム<ベルリン>参加

《Untitled (Tokyo)》2017
マーティン・エブナー、アリアン・ミュラー

《Drop Car》2018


ヨアヒム・フライシャー|Joachim FLEISCHER

2013 年度リサーチ・レジデンス・プログラム参加

《Slow Light - Scanning Tokio》2014

《Tomogramm》2018

《White eats Black》2018

《Münsterscanning》2015

ステファニー・ガウス|Stefanie GAUS

2017 年度二国間交流事業プログラム<ベルリン>参加

《モデル農村の大潟村》2021

《Beyond Metabolism》2014


関連イベント

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、オープニング・トークは実施いたしません。

展示風景

 動画制作:髙橋健治

参加クリエーター

マーティン・エブナー
ヨアヒム・フライシャー
ステファニー・ガウス(ステファニー・ガウス&ヤナ・エスク)
杉藤良江
武田竜真
シンゴ・ヨシダ

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