OPEN SITE
デルフィーヌ・デプレ「Doline」
-TEF Vol.10 パフォーマンス<推奨プログラム>
開催情報
タイトル | デルフィーヌ・デプレ「Doline」 TEF Vol.10 パフォーマンス<推奨プログラム>
|
会 期 | 2016年1月10日(日) - 2016年1月11日(月)
|
時 間 | 19:15
|
入場料 | 1,500円 |
主 催 | 公益財団法人東京都歴史文化財団トーキョーワンダーサイト
|
会 場 | トーキョーワンダーサイト本郷
|
アーティスト | デルフィーヌ・デプレ |
イベント チラシ PDF:776KB
リアルタイムで音やイメージをコントロールする専用装置と楽器を用いて上演する「砂」のステージ。砂の多様な状態、動きを組み合わせ、衝突をキャプチャーし、サウンドを生成する。「Doline(=ドリーネ)*」は土壌の侵食で地表に生じる陥没を意味する。何億年にも渡る自然の侵食を経て生成される「砂」は、人間の活動によって減少している環境資源でもある。砂の持つ流動性を、単体と複合体、ミクロな視点とマクロな視点で描き出す。
*Doline=ドリーネ:地盤の浸食や地下水の減少などにより地表に生じる陥没孔
デルフィーヌ・デプレさんへのインタビューを掲載しました!
チケット情報
公演日:2016年1月10日(日)、11日(月・祝) ※終了しました。
開 演:19:15(開場:19:00)※両日とも
(上演時間:40分)
会 場:トーキョーワンダーサイト本郷
入場料:1,500円
予約方法
- E-mailまたはFaxにて予約を受け付けます。
E-mail: ticket@tokyo-ws.org / Fax: 03-5689-7501
- 氏名、電話番号、ご希望の公演名、日時、人数をご記載のうえ、件名を「オープンサイト申込み」としてお申込みください。( Faxでご予約の場合は返信のFax番号もあわせてお知らせください。)
- 代金は公演当日会場にてお支払いください。
- 各公演とも定員になり次第、または公演前日の17:00をもって予約受付を終了します。 当日券の有無はこちらのページでご確認ください。
※プログラムはやむを得ず変更される場合がございます。予めご了承ください。
当日券について
※両日とも予約受付は終了いたしました。
11日(月・祝)の当日券
を若干枚販売いたします。
11日(月・祝)18時より整理券を配布し、
開演5分前より番号順にご案内いたします。
当日券でのご入場は立ち見となる可能性があるほか、数に限りがあるため
整理券があっても入場いただけない場合
がありますので、予めご了承ください。
プロフィール
デルフィーヌ・デプレ
ヴィジュアル・アーティスト、ビデオ・ディレクター、パフォーマー。2008年ジュネーブ造形芸術大学卒業。投影されたイメージの中のドラマ性に着目し、研究・実験・創作を行う。ビデオ機器を駆使して、様々なレベルで「リアルタイムの」体験を生み出し、緊張感を創出する。デプレは日常にある、取るに足らない物質を操り、多くの場合、サウンド・アーティストと密接に関わって作品制作を行っている。
インタビュー
デルフィーヌ・デプレ
昨年のTEF Vol.9にて特別賞を受賞した、スイスに拠点を置くアーティスト。今回は前作「Aral」を発展させた新作「Doline」を上演する。
― はじめに作品を制作する上でのコンセプトをお話しください。
私の作品では「ローテク」の材料がとても重要です。前作を昨年、日本で上演できたことはとても良い経験でした。日本は身の回りに「ハイテク」が溢れていながらも、人々は生身の人間性を中心に据えたパフォーマンスに興味があるように感じました。そこで私は日常にあふれる「ありきたりの」材料を用いて、そのスケール(=規模)を操作することを試みたのです。それによって人間の視点、誤り、目に見えないものや、私たち人間がいかに小さいかを感じさせるものが浮かび上がりました。前回は何人かの観客が、特にそのことに感動したと教えてくれました。小さく取るに足りない、「なんでもない」ものにドラマ性を持たせることで、私は「ショー的な」側面(=ドラマ)と「ショー的ではない」側面(=非ドラマ)の間に緊張関係を作り出したいと思います。そしてこの「ショー的ではない」側面は、私にとってマニフェストのようなものになっています。
― 今回の公演「Doline」について教えてください。
前作「Aral」と同様、今回も「Doline」というタイトルに環境への問いかけを込めました。「Aral」は砂を用いたシーンで終わりました。砂は有限で、減少しつつある環境資源ですが、一般には尽きることがないものだと思われています。「Doline」では、この砂をパフォーマンスの唯一の材料として用い、その秘められたポエジーを発展させると同時に、今日の「砂」を巡る環境問題に焦点を当てたいと思います。砂は時間の経過を示す象徴でもあります。私たちはどのように時間というものを捉えているのか、文化によってその捉え方に違いはあるのか、ということにも興味があります。砂という、より小さな物質に焦点をあてることで、前回から更に掘り下げ、私自身もまだ知らない何かを探していきたいと思います。 最初は小さく見えるものが強調されることで、巨大なものに見えてくる、今回は砂の動きが生み出すミクロなサウンドを取り込みながら、スケールの変化と戯れたいです。
*Aral=アラル湖:開発により水面積が激減している中央アジアの塩湖
*Doline=ドリーネ:地盤の浸食や地下水の減少などにより地表に生じる陥没孔
― パフォーマンスの組み立て方や、作品に含まれる「リアルタイム」性について教えてください。
決まったルールはありませんが、リサーチ段階でカメラが映し出すものを大切にしています。これは絵を描く時に似ていて、キャンバスに何かを描いて、次は少し離れて全体を眺めますよね。私は音について同じように扱います。ただし、音は時間の認識と直に結びつく即時的なものなので、理解の仕方は大分違います。またリサーチ段階でパフォーマンスを組み立てる際には、自分にとって印象的な「動く絵画」、つまり「場面」を探していき、それらを一貫性のある順番に並び替えます。これは間違いなく直感的に行っています。私のパフォーマンスは、リサーチした内容を解釈して演奏していく瞬間です。そのため、実験的な要素はむしろリサーチ段階にあるのだと思います。シンプルな映像を脱構築し、その「舞台裏」を明らかにしていくこと、複数のジャンルで活動するアーティストとして、領域を超えてそれを探求していくことに興味があります。最終的
に、作品は私たちを取り巻く世界への見方へと行き着きます。観客の方々には、リアルタイム(同時性)の観点を作品の中ではっきりと示したいと思います。私のパフォーマンスには3つの異なる次元の時間、操作される小さな物質、スクリーン、そしてその両方を俯瞰する視点、が含まれています。
― 最後にお客さんへメッセージをお願いします。
この作品は、「ショー」という形式の脱構築であるということに尽きると思います。パフォーマンスを楽しんでいただくと同時に、疑問を感じてもらえれば幸いです。よろしければ是非、終演後に感想や疑問を教えてください。
デルフィーヌ・デプレ
昨年のTEF Vol.9にて特別賞を受賞した、スイスに拠点を置くアーティスト。今回は前作「Aral」を発展させた新作「Doline」を上演する。
― はじめに作品を制作する上でのコンセプトをお話しください。
私の作品では「ローテク」の材料がとても重要です。前作を昨年、日本で上演できたことはとても良い経験でした。日本は身の回りに「ハイテク」が溢れていながらも、人々は生身の人間性を中心に据えたパフォーマンスに興味があるように感じました。そこで私は日常にあふれる「ありきたりの」材料を用いて、そのスケール(=規模)を操作することを試みたのです。それによって人間の視点、誤り、目に見えないものや、私たち人間がいかに小さいかを感じさせるものが浮かび上がりました。前回は何人かの観客が、特にそのことに感動したと教えてくれました。小さく取るに足りない、「なんでもない」ものにドラマ性を持たせることで、私は「ショー的な」側面(=ドラマ)と「ショー的ではない」側面(=非ドラマ)の間に緊張関係を作り出したいと思います。そしてこの「ショー的ではない」側面は、私にとってマニフェストのようなものになっています。
― 今回の公演「Doline」について教えてください。
前作「Aral」と同様、今回も「Doline」というタイトルに環境への問いかけを込めました。「Aral」は砂を用いたシーンで終わりました。砂は有限で、減少しつつある環境資源ですが、一般には尽きることがないものだと思われています。「Doline」では、この砂をパフォーマンスの唯一の材料として用い、その秘められたポエジーを発展させると同時に、今日の「砂」を巡る環境問題に焦点を当てたいと思います。砂は時間の経過を示す象徴でもあります。私たちはどのように時間というものを捉えているのか、文化によってその捉え方に違いはあるのか、ということにも興味があります。砂という、より小さな物質に焦点をあてることで、前回から更に掘り下げ、私自身もまだ知らない何かを探していきたいと思います。 最初は小さく見えるものが強調されることで、巨大なものに見えてくる、今回は砂の動きが生み出すミクロなサウンドを取り込みながら、スケールの変化と戯れたいです。
*Aral=アラル湖:開発により水面積が激減している中央アジアの塩湖
*Doline=ドリーネ:地盤の浸食や地下水の減少などにより地表に生じる陥没孔
― パフォーマンスの組み立て方や、作品に含まれる「リアルタイム」性について教えてください。
決まったルールはありませんが、リサーチ段階でカメラが映し出すものを大切にしています。これは絵を描く時に似ていて、キャンバスに何かを描いて、次は少し離れて全体を眺めますよね。私は音について同じように扱います。ただし、音は時間の認識と直に結びつく即時的なものなので、理解の仕方は大分違います。またリサーチ段階でパフォーマンスを組み立てる際には、自分にとって印象的な「動く絵画」、つまり「場面」を探していき、それらを一貫性のある順番に並び替えます。これは間違いなく直感的に行っています。私のパフォーマンスは、リサーチした内容を解釈して演奏していく瞬間です。そのため、実験的な要素はむしろリサーチ段階にあるのだと思います。シンプルな映像を脱構築し、その「舞台裏」を明らかにしていくこと、複数のジャンルで活動するアーティストとして、領域を超えてそれを探求していくことに興味があります。最終的
に、作品は私たちを取り巻く世界への見方へと行き着きます。観客の方々には、リアルタイム(同時性)の観点を作品の中ではっきりと示したいと思います。私のパフォーマンスには3つの異なる次元の時間、操作される小さな物質、スクリーン、そしてその両方を俯瞰する視点、が含まれています。
― 最後にお客さんへメッセージをお願いします。
この作品は、「ショー」という形式の脱構築であるということに尽きると思います。パフォーマンスを楽しんでいただくと同時に、疑問を感じてもらえれば幸いです。よろしければ是非、終演後に感想や疑問を教えてください。
TEFパフォーマンス トップに戻る