山根明季子

山根明季子

YAMANE Akiko

更新日:2010.7.1

氏名
山根明季子
ジャンル
サウンド&ミュージック
参加プログラム
トーキョーワンダーサイト× N響 共同企画 「NEW PIONEERS―次世代の開拓者たち」 (2010年5月 - 2010年5月)
山根明季子
プロフィール
1982年大阪府生まれ。京都市立芸術大学及び同大学院修了、ブレーメン芸術大学派遣留学。作曲を澤田博、松本日之春、前田守一、中村典子、川島素晴、ヨンギ-・パクパーンの各氏に師事。主な受賞歴として日本音楽コンクール(第1位、明治安田賞及び増沢賞)、芥川作曲賞ノミネートなど。これまでに読売日本交響楽団、Just Composed in Yokohama 藤原道山リサイタル、能楽師青木涼子とのコラボレーションの他、国内外で作品が演奏されている。2009年「ベルク年報」にて自作論「音を視る」を発表。造形をデザインするという視点から音楽作品を描いている。現代音楽コンサートシリーズ"eX.(エクスドット)"主宰。
作品/パフォーマンスについて


プログラム・ノート ―山根明季子≪棘棘カメリア≫(2009)[flute, clarinet, percussion]

棘は堅くて先がとがっていて触れると痛みを感ずるもの/針状の突起物/または比喩的に人の心を刺すような感じのもの / 棘棘=TOGETOGE(音相の魅力)/カメリア、椿/椿姫/花/アクセサリーモチーフ/例えば漫画家桜沢エリカさんの作品における援助交際で手に入れた大人の女性 のメタファーとしてのCHANELのカメリア etc...

私は「音を視る」ことをコンセプトに音楽を書いています。音という現象は実際目に見えないのですが、言わば空間インスタレーションを体験するかのように、「音」そのものの輪郭を辿って、聴き手自身の感覚の内で形や色、質感をすぐそばに感じ取って頂けるようなものを目指して音を描きます。この作品では、椿とそれに棘をたくさん刺したようなもの―写実ではなく抽象、デフォルメした形で描き出すそれを淡々と並べています。縁取りや色がひとつひとつ微妙に異なる表情をしているその造形を、これらをまたひとつひとつ見つめていくような曲の構成になっていて、クレヨンのような素材で描かれた輪郭が滲んでぼやけていくように、未熟さや甘酸っぱさといったものが込められています。

(トーキョーワンダーサイト×N響「NEW PIONEERS―次世代の開拓者たち」公演パンフレットより)

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