更新日:2025.7.10
| 参加プログラム | 二都市間交流事業プログラム(派遣) |
|---|---|
| 活動拠点 | 東京 |
| 滞在都市/滞在先 | ヘルシンキ/HIAP (Helsinki International Artist Programme) |
| 滞在期間 | 2025年8月 - 2025年11月 |
元ごみ処理場・埋立地で現在は豊かな生態系を持つ広大なレクリエーションエリアであるヴオサーリ丘陵(Vuosaari Hill)を舞台に、ツアーワークショップと詩の制作を組み合わせた「Forage the Poetry: 道草を喰う」プロジェクトを行います。地質学者で詩人でもある現地協力者と共に、氷河期の岩石をめぐるナラティブを織り込んだツアーを開催し、参加者が詩を制作。その詩を、現地の砂から作ったガラスに投影することで、変容する土地と人との関係を探りながら、都市の生態を記録する生きたアーカイブを形づくります。
「Forage the Poetry at Vuosaari Hill」と題した参加型ツアーワークショップを2回実施し、計約27名の参加者とともに活動を行った。地学者と共に岩石から土地の歴史を読み解き、風景や環境音、そして自身の感情を手がかりにサウンドポエトリーを制作した。また、ヴオサーリ丘陵の造成に関わった環境アナリストや土壌専門家、現在の清掃員から直接話を聞き、文献やウェブサイトでは得られない知見を得た。さらに、現地で採集した砂を用いたガラスの制作を行った。
ツアーパフォーマンス「Forage the Poetry at Vuosaari Hill」2025
撮影:水野渚

ツアーパフォーマンス「Forage the Poetry at Vuosaari Hill」2025
撮影:Siavash Minaravesh
ヴォサーリ丘で採集した砂からできたガラス
撮影:水野渚
・日本だけでなく、言語や文化の異なる海外の環境においても、ワークショップを企画・実施し、実際に多くの方に参加してもらい、好意的なフィードバックを得ることができた。この経験は、今後アート活動を継続していく上での大きな自信につながった。
・本活動を通して、多くのアーティストや専門家と知り合うことができた。今後、何かを共にしたい、あるいは相談したいと思った際に連絡できる関係性を築けたことは、大きな成果であった。
・ツアー型ワークショップの記録および制作素材として、毎回、画像と音声の記録を他者に依頼した。本活動を通して、誰にどこまで関わってもらうのが適切なのかなど、プロジェクトにおける記録行為の位置づけや、他者の関わり方の設計について改めて考える機会となった。今後のプロジェクトでは、人の関わり方や役割分担の設計について、さらに深く検討していきたい。
・自身のオープンスタジオでは、作品やプロジェクトの背景説明をあえて最小限に留める構成を試みたため、来場者にとってわかりにくい部分もあった可能性がある。また、オープンスタジオの一環としてトークイベントを企画したが、今後はファシリテーターを入れるなど、対話をより深めるための進行方法について検討する余地があると感じた。一方で、スタジオ内に設置した紙に、来場者が自由に詩や線などの「軌跡」を残していったことは印象的であり、場が来場者の創造的な関わりを促していた一例として意義深いと感じている。
・「ツアーに参加したいが日程が合わない」という問い合わせが複数あったことから、今後も地学者のAnttiとともに、本プロジェクトを継続的に発展させていく意欲を強くしている。

オープンスタジオの様子
撮影:Siavash Minaravesh

オープンスタジオ中の地学者Anttiとのトークイベントの様子
撮影:Maija Lindström / HIAP

ヴォサーリ丘で採集した砂からできたガラス
撮影:Siavash Minaravesh
オープンスタジオ時に観客の方に描いてもらった詩
撮影:水野渚