森あらた

レジデンス・プログラム

国内クリエーター制作交流プログラム

更新日:2024.8.29

森あらた

参加プログラム国内クリエーター制作交流プログラム
活動拠点神奈川県
滞在都市/滞在先東京
滞在期間2024年5月 - 2024年7月
滞在目的

安倍元首相を狙撃した山下徹也、秋葉原通り魔事件の加藤智大、酒鬼薔薇聖斗と名乗った少年A。彼らの共通点は1983年前後に生まれ、「キレる17歳」と呼ばれた世代だということ。本プログラムでは、同じく1983年生まれで、ひきこもりだった青年期に海外へ飛び出した私自身を主人公に、全く別の人生を日本で送るもう一人の「わたし」を見つける旅に出る映像作品を制作予定です。ドキュメンタリーとフィクションの垣根を越え、心の中の分断、自己/他者の分断、世代間の分断、そして日本社会そのものの分断といった、「分断」というテーマを様々な角度から捉え、その垣根を乗り越えようとする人間の根源的な力を描く作品にするつもりです。 

滞在中の活動
  • 私自身のアイデンティティを探るため、若かった当時の居場所を再訪問、学校の教師や交流のあった友人たちの話を聞く
  • 現在40歳前後の男女を公募。境遇の違う彼らの悩み、今の生活をインタビュー形式で聞くとともに、彼らの深層心理を探る
  • 公募した男女の中からオーディション形式で、もう一人の「わたし」に相応しい一人を選ぶ
  • 撮影した素材の編集
滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

もう一人のロスジェネ世代の「自分」探しをするというテーマをもとに、自分と同世代の様々な人と出会い、話を聞いた。その中でも、自分と同じ20代前半にひきこもりだった映像作家で俳優の太田信吾氏や、心の悩みを相談するインターネット掲示板で知り合い実際に面会した男性など、自分と同時代を経て似たような過去体験をしてきた人々の話は、実に興味深かった。このリサーチ期間を通して出会った数々のロスジェネ世代の人々から数名を選び、孤独や世代といったことについてインタビューをした。またその映像を、オープンスタジオで展示した。

映像抜粋、2024年
Ⓒ森あらた

映像抜粋、2024年
Ⓒ森あらた

滞在の成果

今回の滞在は、恵まれた環境で海外アーティストたちと三ヶ月近くを共にしながら、ある意味普段とは違った角度から、自分の国を見られた貴重な体験だったと思う。それは普段見る東京ではなく、新しいコンテクストに置かれた真新しい街の姿だった。それは私個人のリサーチや制作活動にも深く影響を及ぼした。今後は、このレジデンシー滞在を通して発展させたプロジェクトをさらに進化させ、来年の本郷での成果展へと繋げていきたい。

オープン・スタジオ風景、2024年
Ⓒ森あらた

オープン・スタジオ風景、2024年
Ⓒ森あらた

クリエーター情報

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