アンナ・ハン

レジデンス・プログラム

二都市間交流事業プログラム(招聘)

更新日:2024.12.6

アンナ・ハン

参加プログラム 二都市間交流事業プログラム(招聘)
活動拠点ソウル
滞在都市/滞在先東京
滞在期間2024年5月 - 2024年7月
滞在目的

今回のレジデンスでは、日本の美学を私のペインティングとインスタレーションに取り入れることを目的とする。私のインスタレーション作品は特定の空間からインスピレーションを得ており、日本での新たな挑戦は私の実践を豊かにしてくれるだろう。現在、物語性に重点を置いているので、日本の昔話のリサーチを行う。さらに、日本の建築におけるユニークなミニマリズムの美学を研究し、谷崎潤一郎が影に何を観察したかをリサーチし、最終的なインスタレーションに取り入れる。また、紙にドローイングを描き続ける予定。

滞在中の活動
  • インスピレーションを得るために日本の建築物や関連する歴史のリサーチを行う。また、日本の伝統的な民話についてもリサーチを行う。
  • 紙にドローイングやペインティングを制作する: 幾何学的な形や地図、リサーチで得たイメージを取り入れた小さな習作を制作する。
  • インスタレーション作品のための小さな習作を制作したり、光と影の使い方を練習したりするのに適したスペースを探す。
  • 地元のメディア・アーティストとコラボレーションする。
  • インスタレーション作品(場合によってはコラボレーション作品を含む)をフィーチャーしたオープンスタジオや展覧会の準備。
滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

日本における影に関する考え方についてリサーチを行い、影が美学的にどのように用いられているかを学んだ。その実例、特に建築的な空間内の影の使い方を見るために、伝統的な家屋を訪ねた。影が表現媒体としてどのように用いられているか、また影に関する考え方を表現する様々な方法を探求しつつ、それらをベースに4つの小さな研究成果を、インスタレーションのような形でまとめた。このプロジェクトでは和紙と墨、LED、絹、絵具、音声を使用している。
また、滞在中は水彩画の制作も行った。自身が日本の昔話からどのようにインスピレーションを得て、物語の内容を形式的要素を用いた絵画にどう変換できるかを試したいと思っていた。これまで絵画を描くのに水彩を使用したことがなかったことため少し挑戦的な試みであった。このシリーズでは5、6点の小さな絵画を制作した。

オープン・スタジオでの展示風景、2024年

日本の昔話に関する研究的小絵画、2024年

《Painting the Light on Shadow》2024年、和紙、日本の墨、LED、絵具、96×50×6 cm

《Layered Shadow》2024年、絹、LED、和紙、インク、木、65×87×25.5 cm

《Framing》2024年、木、日本の墨、アクリル絵の具、ラメ、20×30.5×24.4 cm

《Whisper of the Nemachizuki》2024年、ムーンホワイトノイズ、木、ボール紙、インク、銀白色の葉、20×30.5×24.4 cm

滞在の成果

プログラム応募時に提示したプロジェクトに専念し、実に精力的に活動を行った。一生懸命活動を行ったことを後悔していないが、シンプルにこの場所の文化を楽しむ余裕があったらよかったと思う。そのことで得られる予想外のインスピレーションや学びがあったであろう。滞在中はプロジェクトに引っ張られすぎていたようにも感じる。もっと外に出るべきであった。

クリエーター情報

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