デイヴィ・ファン・ヘルフェン

レジデンス・プログラム

リサーチ・レジデンス・プログラム

更新日:2023.2.10

デイヴィ・ファン・ヘルフェン

参加プログラムリサーチ・レジデンス・プログラム
活動拠点マーストリヒト
滞在都市東京
滞在期間2023年1月 - 3月
滞在目的

今回のレジデンスの目的は、オランダ帰国後に舞台美術のインスタレーションに発展させるための素材を集めることである。TOKASでは、古典ギリシャ文化において西洋演劇が生まれた儀式的基盤、また二元性からの解放と人間の視点に焦点を当てたポストヒューマニズム哲学への関心をもとに芸術研究を行うことを予定している。また、日本の伝統的な演劇とその歴史的起源に関するリサーチを行い、日本文化がどのようにオランダと関わっているのかを探究しようと考えている。

滞在プラン
  • 歌舞伎・能・文楽の舞台を鑑賞
  • 日本演劇の起源をリサーチ
  • 日本とオランダの歴史的関係をリサーチ
  • 日本文化を体験
  • 自分の発見を出版物にする
滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

東京での滞在中、日本の伝統演劇に関する芸術的なリサーチ・プロジェクトを実施した。能楽、歌舞伎、文楽で使用される舞台装置や小道具の空間的な仕組みや構造、またこうした日本の古典演劇の様式の儀礼における歴史的展開や起源について掘り下げた。さらに、西洋の二元論を克服するための代替手段として、日本のアニミズムを探究した。滞在中に収集した素材を用いて、二元論的思考とノン・ヒューマン(人間外存在)に挑戦する舞台美術インスタレーションを制作することを目論んでいる。

能の装束を着る

能面を着ける

竹を使った制作に取り組む

滞在の成果

東京に着いた時点で結び付けたい興味関心がたくさんあった。滞在中にこれらのテーマを繋ぎ合わせる作業に集中できる時間があり、より凝縮された視点を導き出すことができた。この成果をさらに発展させ、舞台美術インスタレーションにするつもりだ。振り返ってみると、東京でのリサーチと滞在に満足している。初めてのレジデンスだったこと、また、最終的な成果物を発表することに慣れていることから、最終的にオープンスタジオで発表したものがあまりに最終成果物っぽく、リサーチの成果を損ねてしまったように感じたため、次のレジデンスではリサーチ・プロジェクトの発表に慎重になるだろう。 滞在中、忘れられない瞬間を数多く経験したが、最も感動したのは、国立劇場で受けたもてなしだった。いくつかの公演を見た後、舞台美術デザイナーの1人が個人的にバックステージツアーに招待してくれ、そこで舞台技術家や工房スタッフに会い、歌舞伎の舞台装置や能楽にまつわる慣習について知りたいことを何でも聞くことができた。

オープンスタジオで発表した《Tsukurimono》を観る来場者

オープンスタジオでの発表

クリエーター情報

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