太田 遼

レジデンス・プログラム

二都市間交流事業プログラム(派遣)

更新日:2024.3.27

太田 遼

参加プログラム 二国間交流事業プログラム(派遣)
活動拠点日本
滞在都市/滞在先台北/トレジャーヒル・アーティスト・ヴィレッジ
滞在期間 2022年10月 - 2022年12月
滞在目的

風景とは何か、それが表象するものが何かを考えたい。台湾の風景はどこか自分ごととして捉えてしまう側面がある。それは一体何か。ストリートビューを使っての近過去からの変化を調べたり、現代史の中で象徴的な出来事と風景との関係などを調べたりしながら、自分自身と実風景との関係性について探りたい。

滞在中の活動
  • 台湾および台北の風景の変貌 
  • 台湾現代史と風景との関係
  • 風景の単位の一つである建築と建築材料、そのトレンドの調査 
  • かつて映像表現にてフィクショナルな風景を表現するために使われていたマットペインティングの調査と、実際の風景との関連での作品的展開
  • 風景とは何か?建築とは何か?現在とは何か? 
滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

建築の持つ境界への懐疑心から、空間の反転やフェイク、多層性をもとに制作。今回は台北で頻繁にみられる窓につけられた鉄柵に注目した。窓の外なのに室内の延長として使われているそれらは、公共空間を盗んでいる感覚があるという。内と外が共存する両義的な空間であり、風景を軽やかに乗り越えているようなその状況を元に、常に柵の内側にいながら実景に出ていく映像や、展示室の窓から室内に柵を作り、外を延長させるインスタレーションを展開。

滞在の成果

海外での約3ヶ月に及ぶレジデンスは初めてだったため、構想と現実とのバランスがかなり難しく、結果的に非常に多忙な日々を過ごしました。リサーチや材料調達から、スタッフや他のアーティスト、または現地で出会った人々などの手助けもあり、かなりのボリュームの制作を完成することができたため、決して失敗というわけではありません。もともと興味のあった台北での滞在制作が、自身でも納得のいく作品に昇華できたことは大きな成果でした。
アーティストといえど大の大人が3ヶ月海外に滞在するというのはかなり特別なことだと感じていました。今後これほどまで長く贅沢な時間を過ごせることがどれだけあるかわかりません。現地で生まれた関係性とはコンタクトを続けていければと思います。 なぜなら、たくさんの場所に行くことよりも、同じ場所に複数回訪ねることでより深く色々なことが見えてくると考えているためです。たとえ短い期間でも、台北および台湾にはまた訪れ、作品展開をできればと願っています。

《Inland Outside》
2022年、木材、アルミテープ、窓など、 サイズ可変(部屋のサイズによる) 
撮影 Treasure Hill Artist Village

《内側からシューティング1》
2022年、映像、木材、アルミテープ、キャスターなど、55×42×142cm、36分45秒
撮影 Treasure Hill Artist Village

《Blank Paper》
2022年、紙、インク、映像、武政朋子との共作
撮影 Treasure Hill Artist Village

《窓柵の類型》
2022年、写真、アクリル板
撮影 Treasure Hill Artist Village

《内側からシューティング1》撮影時の記録写真
11/29 撮影:Emanuele DAINOTTI

《内側からシューティング2》撮影時の記録写真
11/17 撮影:T.J.

クリエーター情報

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