更新日:2022.10.13
参加プログラム | 海外クリエーター招聘プログラム |
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活動拠点 | ベルリン |
滞在都市 | 東京 |
滞在期間 | 2022年5月 - 2022年7月 |
東京や近郊にあるラブホテルをリサーチ・記録する予定です。ドキュメントには、ラブホテルの一室で地元の人たちに愛や人間関係についてインタビューした内容も含まれます。リサーチとインタビューから得た写真や映像を使って、小縮尺のラブホテルの彫刻を制作します。この作品は、日本におけるラブホテルの機能、そしてラブホテルがいかに人々を結びつけ、個人やカップルに愛や表現、帰属意識をもたらすかを探るものです。
また、東京にあるホストクラブについてもリサーチを行い、彫刻を制作する予定です。
レジデンス期間中、日本のラブホテルと歌舞伎町のホストクラブをリサーチする2つのプロジェクトに取り組んだ。
ラブホテルでのプロジェクトは、ホテル内の各種テーマが設定された部屋にプロジェクト参加者を連れて行き、参加者が選んだ様々な変装をして(それは参加者の匿名性を保つためのものでもある)インタビューを行うというもので、インタビューでは、ラブホテル、愛、人間関係、人と人とのつながりについて取材した。その際、参加者それぞれのポートレートと、私と一緒に撮った2種類のポートレートを撮影した。また、ホテルの内装と外装も記録し、プロジェクトで訪れたラブホテルで撮影したビデオが組み込まれたホテルの縮小形立体作品を1点滞在中に制作した。
ホストクラブに関する第二のプロジェクトは、初めて新宿を歩き回った時、あちこちで目にしたティーンアイドルのような若い男性のライトアップされた大きな画像に魅せられ、取り組むことにした。ホストクラブを2回訪問し、1対1のビデオインタビューと、初来店の客に対する一般的な接客という設定で自分と複数のホストとのやり取りの様子をビデオに記録した。そして、訪問したホストクラブの1つの縮小形立体作品を制作した。
レジデンス期間中はもちろん、その後もここで展開したプロジェクトに没頭することができ、現在も同じテーマのリサーチとさらなる作品の制作を継続している。
ラブホテルでのインタビューは10回を数え、それらをショートフィルムとして作品化する予定で、滞在中に撮影したラブホテルのポートレートや部屋、外観の写真については、可能であれば歌舞伎町やホストクラブでの写真も組み入れて、本としてまとめたい。
滞在中は、ビデオを組み込んだ建物の縮小形をしたマルチメディア立体作品を2点制作した。これからトーキョーアーツアンドスペース本郷での成果発表展のための作品を追加制作する予定で、その後は両プロジェクトの作品シリーズを別の場所でも展示したい。
その他プロジェクトを進める過程で出会ったアーティストの石原桃子とは、彼女の写真作品と自身の作品で二人展ができるようなアートスペースをヨーロッパで探したいと考えている。
東京に戻ったら、もっと長く滞在してリサーチを続け、可能であればより多くのインタビューを実施するつもりだ。
滞在中最も印象的だったのは、2つのホストクラブを訪問し、そこでビデオインタビューをする機会を得たことである。日本にいる間に発見したこととして、どこか隠された、あるいはタブー視されているテーマを垣間見ることができた貴重な体験だった。
《ホテルロッシェル》2022年
ビデオが組み込まれたミクストメディアスカルプチャー
《ホテルロッシェル》2022年、写真
《Club Opust》2022年
ビデオが組み込まれたミクストメディアスカルプチャー
《Club Opust》2022年、写真
《ホテルロッシェル:キティ》2022年、写真
《ホテル富貴》2022年、写真
《ホテル Sara 錦糸町》2022年、写真
《ホテルロッシェル》2022年、写真
《ホテルクロノス》2022年、写真