しまうちみか

レジデンス・プログラム

国内クリエーター制作交流プログラム

更新日:2019.8.28

しまうちみか

参加プログラム      
国内クリエーター制作交流プログラム
活動拠点日本
滞在都市東京
滞在期間 2019年9月 - 2019年11月
滞在目的

このレジデンスでは、整然とした規格からのはみ出したようなもの(見せたくないものや、行き過ぎているもの)の取材をし、私たちのリアリティを捉えなおしたい。
いまの日本は実際よりも理想化されすぎているようです。私たちは商品をプラスチックに包み過剰に包装しがちですが、私自身がラップにくるまれて、過剰に包装されているように感じます。このレジデンスのテーマである「ミュトスとの対話」の「ミュトス」には「理想化」に繋がりがあるように思い、私はそれについて立体制作をしたいと思います。

滞在中の活動(計画)

・東京の街並みを取材、特に大きく変換している都市を取材 写真での記録
・それを元に、ドローイングを制作
・テーマ:「ミュトスの対話」に関しての立体物を制作
・ 制作の様子を動画と写真の撮影
・オープンスタジオ終了後 粘土は解体。

滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

これまで「過度に合理化する社会のなかで、合理化しきれない私たちの野性」についてテーマに制作してきましたが、社会が本当に過度に合理化しているのかを東京で再確認するため、この滞在中、東京のオリンピックに向けて再開発の様子が伺える所をリサーチしました。 過度な合理化は古いものやオリジナルなものなどを消去する傾向にあり、無機質にしてしまう傾向があることに気が付きました。特に私たちの野性を消去しているように見えました。それは過度に合理化する社会を疑問視する私の制作に裏付けを与えました。期間中、日本の「はにわ」に見られる原始的な製法である「輪積み」による大型作品を制作する実験を行いました。日本やアジアの美術の歴史を美術館や博物館で見て、自分の中にあるアジアのアイデンティティと自分の作品にある野性との関連性を発見しました。

制作の様子1

制作の様子2

滞在の成果、今後の展望

ミーティングや発表の機会の多いレジデンスで、プレゼンにコンプレックスがある自分にとっては貴重な機会を何度もいただけてありがたかったです。コンセプトのやわらかい部分をどうやったら伝えるか、どうやったら国境を越えてつたわるのか、ましてや英語で、と不安に思っていましたが、スタッフの方からアドバイスをもらったり、外国からきたレジデントのプレゼンを参考にしたり、何度もやるうちに自信がもてるようになりました。また、今までは作品をつくるのに夢中で、レスポンスを意識する目がすくなかったと思いました。スタジオビジットなどで反応をもらうことがうれしかったです。
今後の活動としては、東京の滞在中にアジアの美術をみて得た自分のアイデンティティを、作品の中に消化することを時間をかけてやっていきたいです。今回の滞在で、自分の作品にある「非合理的さ」の厄介さを再確認しました。厄介だからこそ、扱うときに生まれるコミュニケーションや関係性が生まれ、それらこそ、私が引き起こそうとしているものなのだと感じ、この合理的すぎて厄介さがなくなっている社会でやるべき行為だと確信しました。「行為」のほうにも大切さがみえてきたので今後、ワークショップなども行う予定です。

紙、アクリル絵の具、2019

紙、アクリル絵の具、2019

《泣く女》紙、アクリル絵の具、2019

《Big Foot》テラコッタ粘土(未完)(h250 w199 d100cm)、2019

クリエーター情報

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