更新日:2019.11.27
参加プログラム | リサーチ・レジデンス・プログラム |
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活動拠点 | ドイツ |
滞在期間 | 2010年4月 - 2010年4月 |
東京での短期間の滞在でありながら、効率的に自身の作品材料の研究とそれを元に作品制作すること。東京を拠点に活動されているアーティストの方々またレジデンスに滞在されている他国からのゲストの方々との交流を通して相互理解を深めること。
1、日本の服飾文化についての研究。
2、東京で得た素材を元にその土地、人々、文化と結びついた作品を制作。
3、作品のプレゼンテーション、ベルリンのアート事情の紹介。
滞在制作成果
この滞在を通して、ワンダーサイトのみならず現在の東京における美術の状況を知る事が出来た。一ヶ月間を制作ではなく先の作品制作へのリサーチに時間を費やし、結果多くの収穫があった。
私の作品素材である衣服の歴史を研究することが目的であったが、想像以上に多くの質の高い展示に出会う事ができた。
リサーチ
1.文化服装学院服飾博物館
ヨーロピアンモード18世紀から現代までいわゆる現代衣服の始まりは1920年代である。それまでのコルセットを用いて締め付けたり、ふくらみのあるスカート、過剰な装飾が省かれ、スカート丈は短くなり機能的でシンプルなスタイルになった。それは当時のアールデコ様式とつながっている。それ以前の衣服においても私たちが想像する典型的なヨーロッパの衣服の中にも時代・場所によって細かなモードが存在した。装飾、刺繍の繊細さは想像を絶するほどの手仕事の極みで圧巻させられた。
2.フセインチャラヤン 東京都現代美術館
1970年生まれキプロスという特殊な小島のトルコ系民族としてのルーツを持つクリエーター。
この展覧会は私がいままで見た中でも特に興味深い展覧会で、いままでのファッションデザイナーとしてのフセインチャラヤンという認識を大きく覆らせられるものであった。私との共通項、衣服と言う媒体を使って表現しているが、もし美術―表現―ファッションというベクトルがあるのなら、私は彫刻にルーツを持つ美術側からのアプローチ、彼はファッション、デザイン側からの表現という私とは逆方向からのアプローチという違いがあり、また私は一人ですべてをこなすアーティストと、フセインチャラヤンという商標をもった会社組織のチームワークの表現の違いがある。
私はそのチームの矛先の正確さに彼の表現者としてのはっきりとした意思を感じた。
作品制作
この滞在期間に東京で得た素材を元に滞在後制作を進める。